山下ふ頭再開発、横浜市長が遅れ示唆

 横浜市の林文子市長は9日の会見で、2020年の一部先行開発を目指す山下ふ頭(同市中区、47ヘクタール)の再開発事業について、「倉庫業者との話し合いが完全にできていないので、少し遅れる感じがしている」などと計画が遅れる可能性を示唆した。

 横浜臨海部の新たなにぎわい拠点として再開発計画が進められており、市は当初、山下公園に隣接する約13ヘクタールを先行開発エリアとして、操業する12社と16年度内に移転補償契約締結を済ませ、本年度に再開発を担う民間事業者を公募する予定だった。だがうち2社との交渉が難航し、現在も移転契約のめどが立っていない。

 同ふ頭はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の有力候補地ともみられており、4日には横浜港運協会の藤木幸夫会長が「あそこは博打(ばくち)場ではない」などとカジノ誘致に反対を表明。一方で5日には横浜商工会議所の上野孝会頭が「横浜経済活性化の起爆剤として期待されているIRの実現に向けて着実に前進していきたい」と述べるなど、関心が高まっている。

 林市長は「(IRについては)いろいろな考えがあると感じている」とし、自身の考えは引き続き白紙とした。

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