【私鉄に乗ろう 39】 アルピコ交通 松本電鉄上高地線 その1

※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券があれば誰でも入れる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラで撮影しています。上高地線の写真は2018年1月9日(火)に撮影したものです。

草創期には飛騨高山までという壮大な構想で始まりました

1921年(大正10年)筑摩鉄道島々線、松本〜新村間(6.2km)開業。1922年(大正11年)新村〜島々間(4.6km)が延伸開業。1932年(昭和7年)社名を松本電気鉄道に変更、以降松本電鉄島々線と呼ばれる様になります。1955年(昭和30年)上高地線に改称。1966年(昭和41年)赤松駅を新島々駅に改称。1983年(昭和58年)台風による土砂崩れで新島々〜島々間の線路が埋まってしまい、同年この区間が休止、1985年(昭和60年)に廃止されました。2007年(平成19年)松本電鉄の属するアルピコグループが債務超過で経営破綻。2008年(平成20年)以降アルピコグループの経営再建で鉄道事業は継続が表明されました。社名はアルピコ交通株式会社になりましたが「松本電鉄上高地線」の名称が併用されています。

営業キロは松本〜新島々間14.4km、軌間は狭軌(1067mm)、起終点を含めて14の駅があります。全線単線で直流1500Vで電化されています。

車両は、1986年(昭和61年)から東急電鉄5000系を改造して運用していましたが老朽化と非冷房車両であったことから、京王電鉄井の頭線で使用されていた3000系を1999年(平成11年)〜2000年(平成12年)に8両(2両編成 x 4編成)導入し、元東急5000系と交代しました。導入された京王電鉄3000系8両は全て中間車から先頭車両に改造されています。

私事で恐縮ですが筆者は小学校2年生から大学3年生まで井の頭線沿線で育ちました。井の頭線3000系は何よりも懐かしい車両です。これまで北陸鉄道、上毛電鉄、岳南鉄道と懐かしい3000系に乗ってきました。松本電鉄もこれが2度目になります。残念ながら四国の伊予鉄道の3000系には、まだ乗っていません。

これが松本電鉄3000系の車内、運転台部分です。右の窓から前面展望を撮るのですが、手前に侵入禁止のバーが渡されています。基本的にご覧の赤線で囲った部分からしか前面展望は撮影できません。ここから2枚のガラス越に2m離れた前面展望を狙っています。

2m離れた場所から手持ちの望遠で撮っています。これは余計な言い訳ですが、元々が運動音痴の還暦を過ぎた爺にはなかなかキツイ作業です。無論、本人が好き好んでやっていることなどで文句を言う筋合いは全くありません。ただ電車が揺れる度に、頻繁に画角がずれてワイパーや下に置かれた布などが写り込んでいます。この点を御容赦下さることを切にお願いする次第です。

信濃大町から乗ったJR大糸線は6番線に到着しました。上高地線は7番線なので同じホームです。新島々行が入線していました。

こちらが新島々方面の先頭車両。「つなげ 全国鉄道むすめ巡り」のヘッドマークが掲出されています。ヘッドマークには上高地線の「渕東なぎさ」と上田電鉄の「八木沢まい」が描かれていました。

先頭車両の側面、渕東なぎさが描かれて「なぎさTRAIN」と貼ってあります。

こちらは最後尾車両。(2両編成ですが)

松本駅を出発、上高地線で最も駅間の短い0.4kmで西松本駅です。早速ワイパーが写ってしまいました。住民からの要望で1927年に作られた駅です。

駅名標、他の駅とはカラーも意匠も違います。築地塀があしらわれています。松本駅から乗るよりも自転車で西松本駅まで来て乗降する利用者も多いらしく自転車駐輪場があります。駅名標の多くは復路で撮っているので光が違っています。

0.7kmで渚駅。

晴れているとコンデジ(コンパクト・デジタルカメラ)は自動的にシャッタースピードも被写界深度も上がるので下手くそなカメラマンでも前面展望が楽に撮れます。(笑)この駅にも大量の自転車。

駅名標。1922年(大正11年)の開業時は西松本駅でしたが、新たに西松本駅が作られたために1927年(昭和2年)に渚駅に改称されました。この駅名標に描かれた鉄道むすめ「渕東なぎさ」は松本電鉄の女性社員がデザインしたそうです。

田川を渡ります。流れはやがて犀川に注ぎ込みます。

0.8kmで信濃荒井駅。島式ホーム1面2線で朝のラッシュ時に列車交換が行われます。左カーブの先にホームがあったので、思いっきりワイパーが写ってしまいました。望遠レンズなので御容赦下さい。

駅名標。これが上高地線の標準的な駅名標のデザインだと思われます。

行く手に乗鞍岳、穂高岳、御嶽山などがそびえ立ちます。山に詳しくないので間違っていたらすみません。

0.7kmで大庭駅です。カメラがぶれて余計なモノが写っている上に画角が狭くて駅全体が収まるにはもう少し早いタイミングでシャッターを切るべきですね。(実は早くシャッターを切った写真はもっと酷く失敗していました)お見苦しくて申し訳ございません。

駅名標。筑摩鉄道の駅として1921年(大正10年)に開業した古い駅です。

この段階では晴れていて、どうにか騙し騙し前面展望を撮っていますが、この後、最終的には天候が悪化します。正に山の天気!【私鉄に乗ろう 39】 アルピコ交通 松本電鉄上高地線 その2に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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