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[大弦小弦]「救える命を救いたい」との理念を掲げ、民間救急ヘリを本島北部に導入した…

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 「救える命を救いたい」との理念を掲げ、民間救急ヘリを本島北部に導入したNPO法人、MESH(メッシュ)サポートの理事長小濱正博さん(63)が亡くなった

▼多くの関係者が参列したおとといの告別式。フライトスーツ姿の遺影のそばには、実現に奔走した救急ヘリの写真があった

▼小濱さんは大阪市大正区で生まれ、北部出身の両親の下で育った。大学を卒業後、大阪や東京の病院で最先端の医療を学び、医師としては恵まれた環境にいた

▼地域医療の実態を知ろうと、37歳の時に伊江村立診療所の医師募集に応募。故郷に帰ることを望んだがかなわず、他界した父への恩返しの気持ちもあった

▼そこで見たのが「命の格差」だ。救命率や社会復帰率が高い15分以内で病院などで初期治療が受けられる都会と違い、北部の過疎地域では1~2時間かかり、手遅れになるケースも。幾度も困難を乗り越えNPOを立ちあげ、資金難から運休を余儀なくされても、寄付や行政からの支援を得て、救急ヘリを再開させてきた

▼メッシュの理事長を引き継ぐことになった塚本裕樹さんは、弔辞で「人の命を助けるためにやれる限りのことをやる、その志を引き継ぎたい」と誓った。3月ごろの運航再開を目指すという。医療過疎地のすべての患者を救う、という小濱さんの理念は生き続ける。(知念清張)

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