ウーマン村本が吠えた!「知事に会わない首相、ごっつやな感じ」 沖縄独演会で社会風刺

 お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔が3日、単独ライブ「村本の大演説~時は来た…すべての戌(いぬ)どもに村本が吠(ほ)えて噛(か)みつく」を那覇市の桜坂劇場で開いた。幅広い年齢層の約300人が来場。予定の時間を大幅にオーバーする約1時間半、マシンガントークで社会風刺を展開した。

 冒頭、直前までライブのチケットの売れ行きが思わしくなかったことを紹介。満員の客席に「『THE MANZAI』効果でチケットが売れて満席になった。売名成功だ」とガッツポーズし、笑いを誘った。

 正月の討論番組「朝まで生テレビ!」での発言もネタにした。普天間第二小学校の米軍ヘリ窓落下事故への抗議で上京した翁長雄志知事に安倍晋三首相が面会しなかったことを番組で指摘した。「一方、首相は芸人の松本人志さんと会食していた。ごっつやな感じだ」と皮肉った。

 ジャーナリストの堀潤さんとの番組共演が、沖縄について勉強をするようになったきっかけ。堀さんから沖縄の歴史や基地問題の話を聞き「なぜ沖縄だけに基地が集中するのか」と疑問に思ったという。

 沖縄の現状について村本は「47人でルームシェアをしている家で、沖縄ちゃんの部屋にだけみんなが使う洗濯機を置いているようなものだ。もっと辺野古や高江についてテレビで報道すべきだ」と疑問を呈した。

 「人間は本のようなもので、いろいろなページがある」とも強調。「北朝鮮はミサイルを撃ち拉致をする最低な国だと皆思うが、文化やスポーツの面を見ようとしたことはあるのか」と多面的に見ることが必要だと訴えた。

 ライブの終盤で「沖縄や被災地の人々など世の中の『空気』と呼ばれるものに色を付けていきたい。それがお笑いの役目」と漫才観を語ると、会場から大きな拍手が送られた。

 村本はライブ後、「最高だったよ とにかく最高」と短文投稿サイト「ツイッター」に投稿した。ステージ上で撮った観客と自身が収まった写真を添付し、沖縄でのライブに満足した様子をうかがわせた。(塚崎昇平)

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