共働き家庭の生活体験 横浜、大学生が報告

 卒業後のキャリアプランを描くのに役立ててもらおうと、神奈川大が民間会社と連携し、学生が共働き家庭で家事や育児を体験する研修に取り組んでいる。昨年11、12月に実施し、今月には横浜市神奈川区の同大横浜キャンパスで報告会を開催。学生は「生きるために仕方なく働くというネガティブなイメージが、ポジティブに変わった」などと収穫を挙げた。

 同大の男女共同参画推進室・就職課が昨年、人材育成会社とともに初めて企画した。就職、結婚、出産、育児といったさまざまなライフイベントを経験している共働き家庭の実情を知ることで、将来の働き方と家庭像を考えるきっかけになればとの狙いがある。

 参加したのは男女の2、3年生8人。11月の同大での事前研修では、横浜市港北区内の企業から育児中の女性や男性の働き方などを学んだ。

 その後、人材育成会社を通じて協力を得た川崎市内などに住む子育て中の4家族の家庭を訪問。11、12月の2日間、保育園へのお迎えや夕食作りなどを経験し、仕事と家庭についての聞き取りもした。

 外国語学部3年の廣田涼介さん(21)=川崎市高津区=は、小学3年の長女(9)と保育園児の長男(6)がいる家庭で、たこ焼きを振る舞ったり、子どもと絵を描いたりして過ごした。両親からは「仕事状況を話し合って、日ごとの家事の分担の計画を事前にしている」などと、両立するやり方を聞いたという。

 今月12日の報告会では、学生8人が研修結果をまとめた資料を発表し、「仕事が忙しくても家庭の両立は工夫次第で可能と気付けて良かった」などと報告。同大の担当者は「『共働きは大変』というイメージもあるが、実情を知って就職活動に前向きに取り組んでほしい」と話している。

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