目玉はメジャー通算71発の大砲 33年ぶり日本一を目指す阪神の助っ人陣容

阪神入団が決まったウィリン・ロサリオ【写真:Getty Images】

“60試合クインテット”を形成したマテオ、ドリスは残留

 2017年はセ・リーグ2位だった阪神。78勝61敗4分、貯金17の成績を残しながらも、広島に2年連続優勝を許すことになった。クライマックスシリーズではファーストステージでリーグ3位のDeNAに逆転負けを喫して敗退。1985年から遠ざかっている日本一の座には、またしても手が届かなかった。

 昨季の阪神といえば、鉄壁のリリーフ陣がチームを2位に押し上げたと言えるだろう。高橋聡文、桑原謙太朗、岩崎優、マテオ、ドリスの5投手が60試合超に登板し、NPB史上初となる“60試合クインテット”が誕生。2桁勝利を挙げた先発投手が秋山拓巳とメッセンジャーの2人だった中、この強力リリーフ陣の働きがチームを支えた。

 金本知憲監督が就任し、3年目となる2018年。この鉄壁のリリーフ陣を支えたマテオ、ドリス、2桁勝利を挙げた2人のうちの1人であるメッセッジャーが残留。昨季はキャンベル、ロジャースが期待外れに終わった助っ人野手にはメジャー通算71本塁打を誇るロサリオを韓国ハンファから獲得。さらに投手陣にも、レイズからモレノを加え、層に厚みを与えた。

 13年ぶりのリーグ優勝、33年ぶりの日本一に向けて戦力編成を整えてきた阪神。現時点で助っ人は、台湾人の呂彦青も含め投手5人、野手1人という編成となるが、この面々がいかなる結果を残すだろうか。2月1日のキャンプインまで、あと半月ほど。ここでは阪神の助っ人陣容をおさらいしてみよう。

台湾人の呂彦青は台湾アマ球界ナンバー1の呼び声高い左腕

○新加入
【投手】
呂彦青投手
 プロとしてのキャリアはなく、台湾の国立台湾体育運動大学から阪神入りする左腕。2015年のWBSCプレミア12、2016年のU-23ベースボールW杯で台湾代表に選出された将来性豊かな台湾アマ球界ナンバーワンの呼び声高い投手である。まだ21歳と若く、即戦力というよりも、2、3年以内の台頭を期待したい選手だろうか。

ディエゴ・モレノ投手
2017(レイズ)5試合0勝1敗0セーブ 防御率4.76
MLB通算9試合1勝1敗0セーブ 防御率5.06
マイナー通算257試合28勝17敗30セーブ42ホールド 防御率2.94
 ベネズエラ出身の右腕。パイレーツ傘下、ヤンキース傘下などを経て、2015年途中にヤンキースとメジャー契約。2017年はレイズとマイナー契約を結び、メジャーで5試合に登板していた。主に中継ぎを務めていた投手でマテオ、ドリスの2人のバックアッパー的な役割となるではないだろうか。

【野手】
ウィリン・ロサリオ内野手
2017年(ハンファ)119試合445打数151安打37本塁打111打点 .339
KBO通算(2年)246試合937打数309安打70本塁打231打点 .330
MLB通算(5年)447試合1512打数413安打71本塁打241打点 .273
 ドミニカ共和国出身で、今オフの阪神の補強の目玉。ロッキーズ時代の2012年に、捕手でありながらも28本塁打を放って一躍注目を浴びた。2013年にも21本塁打を放ったが、2014、2015年と成績を落とし、2016年からは韓国のハンファでプレーした。ハンファでは2年連続で3割30本100打点を記録。実績十分の大砲で、大きな期待がかかる助っ人である。

7年連続規定投球回到達の大黒柱メッセンジャーはNPB9年目のシーズンへ

○残留
【投手】
ランディ・メッセンジャー投手
2017:22試合11勝5敗0セーブ0ホールド 防御率2.39
NPB通算(8年)221試合84勝70敗0セーブ1ホールド 防御率2.98
 来日9年目を迎えるメッセンジャー。2011年から4年連続2桁勝利を達成するなど、虎のローテーションを長らく守っている優良助っ人。昨季は右腓骨の骨折で離脱があったものの、シーズン最終盤に復帰。2011年から7年連続規定投球回に到達した。現在84勝で、外国人投手として史上5人目の通算100勝に16勝と迫っている。

マルコス・マテオ投手
2017:63試合7勝4敗0セーブ36ホールド 防御率2.75
NPB通算(2年)115試合8勝7敗20セーブ43ホールド 防御率2.29
 ドミニカ共和国出身の右腕。カブス、パドレスなどを経て2016年から阪神へ。1年目はクローザーを務め20セーブを挙げたが、2年目はドリスと役割が入れ替わりセットアッパーに。150キロ台後半のストレートを武器に、36ホールドを挙げて最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。今季も勝利の方程式の一角として期待が集まる。

ラファエル・ドリス投手
2017:63試合4勝4敗37セーブ5ホールド 防御率2.71
NPB通算(2年)97試合7勝7敗45セーブ14ホールド 防御率2.51
 こちらもドミニカ共和国出身の右腕。カブス、ジャイアンツ傘下、タイガース傘下を経て、マテオとともに2016年から阪神へ。1年目は外国人枠の兼ね合いもあって2軍で開幕を迎え、シーズン途中に1軍へ。セットアッパーとして34試合に投げると、2年目の昨季はクローザーへと役割を変え、37セーブで最多セーブのタイトルを獲得した。160キロ超のストレートを武器に、昨季「60試合クインテット」を形成した強力リリーフ陣を今季も牽引する存在となる。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2