2018年 年男(6)

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経営者としての「折り返し地点」/井上孝一氏(井上鋼材社長)/いのうえこういち

 井上鋼材一筋に38年。若いころは「まさか自分が社長に就くなんて考えもしなかった」が、あっという間に10年半が過ぎた。60歳定年が当然だった世代だけに「人生、何が起こるか分かりませんね」。

 「還暦」に特別な感慨はない。それでも「ただ前だけを見て突っ走ってきた40~50歳代とは違う」。これまでの自身の道のりを振り返り、足跡を顧みた上で「見方や立ち位置を変えてみる」ことの必要性も自覚する。企業経営者としての〝折り返し地点〟との感覚だ。

 異業種を手掛けてきた経験で身につけた市場洞察力と柔軟性を、次世代を見据えた事業展開に生かし「オリジナリティある商材を発掘して商機(勝機)に結びつけたいですね」。(昭和33年2月15日生)

「生涯現役商人」宣言!/小林茂氏(キヨシゲ会長)/こばやししげる

 12年前に長男・光徳氏に2代目社長を託してからは「番頭」役に徹し、長男と次男(義司専務)を前面に立てながら創業者として後方支援にまわってきた。

 そして迎えた7回目の干支。特段の感慨はないが、それよりも「80歳を過ぎてもなお『商人』でいられることに感謝しています」。

 誰もが認める「根っからの商売好き」。そして「仕事が生きがい」。2年後に控えた創業60周年に向かって会社のさらなる成長を願うとともに自身は「生涯現役」を宣言する。

 ただ「これまで苦労をかけっぱなしの女房(シゲ子さん)には頭が上がらなくて…」。少し時間に余裕ができた今、謝意を込めて〝夫婦2人きり〟の時間をつくることも忘れない。(昭和9年10月6日生)

〝人間性〟重視の営業大事に/手島雅裕氏(UACJ取締役兼常務執行役員)/てしままさひろ

 営業一筋35年。「営業はモノだけでなく人間性も見られる。どんなときでも真面目にじっくりとお客様と付き合う〝自分なりの営業姿勢〟を大事にしてきた」と振り返る。

 旧住軽に入社し、東京と名古屋で自動車パネルと輸出を除くすべてのアルミ板営業に携わった。その中でも20代後半の缶材営業時代、飲料缶のアルミ化が始まったころは「顧客と工場の間で厳しい折衝を余儀なくされたが、あれが私の原点」と振り返る。

 営業副本部長として、来年度から始まる新中期計画の策定と実現が喫緊の課題。私生活では「心身の健康維持はもちろん、家族との時間も大切にしたい」と誓った。(昭和33年8月4日生)

やりがいのある会社に/黒石厚氏(NSSB奥平スチール社長)/くろいしあつし

 還暦を迎え「住友金属工業(現新日鉄住金)に入社してからあっという間だった」と感想。また、「野球をやめてから体力がかなり落ちた。健康管理のためにも休日は5キロのジョギングを自分に課している」と気を引き締める。印象に残った仕事は「メーカー時代にレインボーブリッジや六ヶ所村の大きな物件に携わったこと。やりがいのある仕事は自分を成長させてくれる」と話す。

 社長2年目となる今年は「既存ユーザーを大切にしながら、新規で中央ゼネコンを攻める。やりがいのある会社にする為に、現場施工を増やしていく」という。そのような考えを全従業員と共有するため、社内のコミュニケーションの向上を日々図っている。(昭和33年10月30日生)

やりたいことができ、会社に感謝/郡義信氏(共栄社長)/こおりよしのぶ

 地元の神港高校卒業後、「世界中から商品を手当てする仕事ができる」と、大手スーパーへの就職を決めた。ところが、「実家が青果業で、父は個人商店の団体会長。それと競合する企業に就職するとは何事か」となり、破談。急きょ、教師の紹介で製鋼原料商社・共栄への入社が決まった。

 「スクラップのことは全く分からなかった」と話すが、衣浦工場建設など中部地区における事業拡大に大きく貢献。社長就任後もM&Aを積極的に展開するなど、ひたすら仕事に打ち込んだ。「やりたいことができ、会社に感謝している。リサイクルは社会貢献できるやりがいある仕事。若手にはそれを感じつつ、一生懸命に楽しく仕事をしてもらえれば」(昭和21年7月23日生)

「至誠一貫」、これからも健康第一で/伊東重仁氏(紅忠スチール社長)/いとうしげひと

 「貿易立国、日本のために外貨を稼ぐことに身を捧げたい」と志し、丸紅に入社。そして1990年、32歳の時にインドネシアへ赴任し、96年からは現地会社の社長としてコイルセンターの立ち上げに関わった。稼働後はアジア通貨危機に見舞われて厳しい環境に置かれたが、取引先や現地社員らに支えられ、「何事も諦めずにやり続けることが大切」と改めて実感、当時の経験が自身の商社人生で大きな財産となった。

 今は国内向けを中心とした薄板建材と自動車用鋼板の内販会社である紅忠スチールの社長。「初めての仕事で、非常にやりがいがある。当社は統合後丸4年がたち、人材の融和を進めるとともに、建材と自動車、分野の異なる事業でシナジーを追求して、従業員にとってより良い会社にしていきたい」と意気込む。(昭和33年2月17日生)