一発殿堂入りの金本氏、亡き恩師・星野氏に「優しい言葉かけてもらえたのでは」

野球殿堂入り通知式に出席した金本知憲氏【写真:細野能功】

初年度で殿堂入りの金本氏、連続出場振り返り「一番は責任感」

 阪神の金本知憲監督(49)が資格初年度で殿堂入りした。財団法人野球殿堂博物館は15日、平成30年度の野球殿堂入りを発表。今年から候補に入った金本監督が278票(75.5%)で当選必要数の276票(75%)をいきなり上回った。

 実働21シーズンで2539安打、476本塁打、1521打点。打点王1回とタイトルも獲得しているが、日本記録の最多連続試合全イニング出場1492(1999年7月21日から2010年4月17日)の鉄人ぶりが評価された。

「昔、野球を始めたころ、目指すものは切りがないと言われた。名球会、その上に殿堂入りもあると言われた。そこまで頑張れた。その(最初の)時を想い出した。本当に恐縮な思いと、感謝の思いが交錯している」としみじみ。「連続して試合に出たことが評価されたと思うが、(出続けたのは)一番は責任感ですかね」と金本氏らしく語った。

 ドラフトで広島に入団した当時の監督で、自身も2008年に殿堂入りしている山本浩二氏もお祝いにかけつけた。「キャンプで見た時、相当時間がかかるなというのが最初の思いだったが、都城のオープン戦に初めて打席に立たせ、追い込まれながら粘って、粘って四球で歩く姿を見て、精神的に強い印象を受けた、重点強化選手に指定したミーティングが思い出された」と話した。

 巨人軍の長嶋茂雄終身名誉監督も「大きな故障を抱えてなお、グラウンドに立てるのは、どんな逆境でも心が折れないからでしょう。殿堂入りに、心から拍手を送りたいと思います」とコメントで祝福した。

 広島から阪神にFAで移籍した当時の監督がこの4日に70歳で亡くなった星野仙一氏。昨年の通知式で殿堂入りの喜びを語ってから1年。親友の山本浩二氏は「辛くて、辛くて」と話したが、金本監督も「(星野氏からも)おそらく優しい言葉をかけてもらえたのでは。まず阪神の監督として頑張ること」と今季への決意を見せた。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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