クビカがウイリアムズのリザーブ&開発ドライバーとしてF1に復帰。レースドライバーの座はシロトキンが獲得

 ウイリアムズF1チームは16日、2018年のレースドライバーとして、ルーキーのセルゲイ・シロトキンをランス・ストロールのチームメイトとして起用することを正式に発表した。シロトキンと最後までレギュラーの座を争ったロバート・クビカは、リザーブおよび開発ドライバーを務めることが明らかになった。

 フェリペ・マッサが引退し、今年ストロールのチームメイトの座を射止めるのは誰なのか、長きにわたり関心が集まっていた。ウイリアムズは10月に2回のプライベートテストでクビカを走らせた後、最終戦アブダビ後のテストでも起用。一時はクビカの採用は内定しているともいわれていた。

 しかしアブダビテストに参加したシロトキンが好パフォーマンスを見せ、多額のスポンサーシップも用意し、最有力候補に浮上したとの報道が12月になって持ち上がった。

 チームは正式発表を1月に先送りしたものの、大方の予想どおり、シロトキンを2018年のレースドライバーとすることを明らかにし、「アブダビでのピレリテストでFW40を初めて走った際のパフォーマンスにチームは非常にいい印象を持った」と説明した。

 現在22歳のシトロキンは、2014年にザウバーのテストドライバーを務め、ロシアGPではFP1で走行。2016年と2017年にはルノーの開発ドライバーとなり、数戦にわたりFP1に参加した。2015年と2016年にはGP2でランキング3位を獲得している。

 さらにウイリアムズは、クビカを2018年のリザーブおよび開発ドライバーとして起用することも併せて発表した。

「ロバートの経験と知識はFW41のマシンパフォーマンスを進化させる上で、チームの技術グループにとって非常に役立つだろう」とチームは述べるとともに、レースドライバーが出場できない事態にはクビカが代わりを務めることも確認している。

 かつて将来のF1チャンピオンとみなされ、高く評価されていたクビカは、2011年の開幕前にラリー出場中に重傷を負い、それ以来F1から遠ざかることになった。しかし2017年、ルノーのもとでF1テストを開始、8月にはハンガロリンクでのF1合同テストでルノーの2017年型マシンを走らせた。ルノーはクビカのパフォーマンスを称賛していたものの、2018年に向けてニコ・ヒュルケンベルグとカルロス・サインツJr.のペアを起用することを決定。そのためクビカは他にチャンスを求め、ウイリアムズとの交渉を開始した。一時は契約上の事務処理が残るのみでウイリアムズとは合意済みとまで伝えられたが、33歳のクビカは、若きライバルにシート争いで敗れ、奇跡の実戦復帰は2018年にはかなわなかった。

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