「ダルビッシュはヤンキースに行くのか?」 MLB公式サイト記者の見解は…

去就に注目が集まるダルビッシュ有【写真:Getty Images】

ダルビッシュ争奪戦で動きを見せるヤンキース、「獲得するチャンスはあるのか?」

 1月も中旬を迎えているが、ドジャースからFAとなったダルビッシュ有投手の去就が決まっていない。FAとしてNO1評価を受ける選手が未契約のまま越年することは珍しいが、先発としてダルビッシュに次ぐ評価を受けているジェイク・アリエッタ投手もまだ契約に至っておらず、市場は停滞している。

 ただ、ダルビッシュについては争奪戦が激化しており、ヤンキース、カブス、ツインズ、アストロズ、レンジャーズ、ドジャースの6球団が候補に浮上。ただ、アストロズはパイレーツから右腕コールを獲得したため、撤退したと見られている。残る5球団のなかで、ここにきて動きを見せているのが、メジャー随一の名門ヤンキース。MLB公式サイトの番記者が、ダルビッシュのヤンキース入りの可能性を探っている。

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは先日、ラジオ番組でダルビッシュの獲得を検討していることを認め、代理人と接触したことも明かした。その後、ESPNラジオで番組ホストを務めるマイケル・ケイ氏が「ヤンキースはダルビッシュに7年1億6000万ドル(約177億円)のオファーを出したが、48時間以内に受諾の返答をしなかったので撤回した」と伝えたものの、ダルビッシュがオファーはないとツイッターで否定。しかし、直後にこのツイートを訂正し、実際にオファーはあったものの、金額が正しくないとつぶやいていた。

 ヤンキースは、ダルビッシュの“価格”が下がるのを待っているとの報道もある。実際のところはどうなのか。MLB公式サイトでは、ヤンキース番を務めるブライアン・ホック記者が読者の質問に答える形での記事を掲載。「ダルビッシュは最終的にヤンキースに行くのか?」とのタイトルがつけられた特集となっている。

ポイントは贅沢税、「ダルビッシュはローテーションを良くする」も…

「現実的にヤンキースがダルビッシュを獲得するチャンスはあると思うか? 贅沢税を回避することはできるのか?」

 この読者の質問に対して、ホック記者は「ヤンキースはダルビッシュに興味を抱いている。しかし、彼らは金額が下がった場合に備えて、嗅ぎまわっているのだと考えられている。もしダルビッシュに7年1億6000万ドルを提示していたら、おそらく彼は契約しただろう」と回答。実際のオファーはこの額には達していないとの見方だ。

 そして、ヤンキースがダルビッシュにここまでの金額を提示できないのは、選手の総年俸を抑えて贅沢税の支払いを回避したいからだと同記者は見ている。ダルビッシュを獲得するためには、高給取りのベテランをトレードで放出する必要があるというのが、どのメディアでも共通の見解だ。

「もしダルビッシュを獲得すれば、彼らはブレット・ガードナーやデビッド・ロバートソンのようなベテランをトレードしなければならないだろうと言われている。もし彼らが新たな動きを進んで行うのであれば、ダルビッシュ獲得の可能性は高い。ダルビッシュはローテーションを良くするだろう。しかし、彼の加入により別のエリアが弱くなる可能性がある」

 ヤンキースは、レッドソックスから加入後に“不良債権化”しつつあるジャコビー・エルズベリーを放出したいところだが、受け取り手がいるかが大きな問題。ガードナーやロバートソンをトレードに出すという選択肢も浮上するが、どちらもまだまだ必要な戦力で、できれば放出は避けたいところ。だからこそ、ホック記者も「別のエリアが弱くなる」と指摘する。

 どこかの時点でヤンキースが大きな動きを見せるのか、それとも、ダルビッシュと“お買い得価格”で契約できれば儲けもの、というスタンスを取るのか。名門球団の動きがダルビッシュ争奪戦、そしてFA市場に大きな影響を与えることになりそうだ。

(Full-Count編集部)

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