海上でも高速通信を 沖縄沖の船と公開実験

 沖縄海域で航行中の海洋研究開発機構(JAMSTEC、横須賀市)の海底広域研究船「かいめい」と高速衛星通信を使って生中継で結ぶ公開実験が17日、横浜市中区の大さん橋ホールで開かれた。九州工業大社会ロボット具現化センターの浦環センター長が、総務省の委託研究で情報通信研究機構(東京都小金井市)が開発した船舶地球局を活用して成功させた。

 従来の衛星通信は回線が細くてデータ送信に時間がかかる上に通信料が割高だった。乗組員は業務以外のネット通信を使う機会が乏しいのが現状という。

 公開実験では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが打ち上げた超高速インターネット衛星「きずな」を活用。船にいるJAMSTECの山本富士夫主席研究者との会話が臨場感あるブロードバンド中継で結ばれた。

 浦さんは「海でもブロードバンドが陸上と同じ料金で使える環境が実現してほしい。船に乗り組んでいる人たちが陸と同じように生活すれば、誰もが海に行きやすくなる」と語った。

 海洋関連の企業・研究機関・大学などが一堂に集まり、最新の技術や研究成果を共有するイベント「海と産業革新コンベンション2018」(うみコン)の一環で行われた。

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