名手、天才、最強助っ人…来年殿堂入り候補者になる可能性がある野球人

前田智徳氏【写真:Getty Images】

2013年に引退した選手がエントリー可能に、代表的な顔ぶれは…

 野球殿堂入りプレイヤー表彰の対象になるのは、引退後5年が経過した選手からだ。今回、殿堂入りした松井秀喜氏、金本知憲氏は、2012年の引退。来年は、2013年引退の選手がエントリー可能になる。

 2013年引退の主要な選手は以下の顔ぶれ

◯宮本慎也 
2162試合7557打数2133安打62本塁打578打点111盗塁 打率.282
ベストナイン1回、ゴールデングラブ10回

 PL学園、同志社大、プリンスホテルを経て1994年ドラフト2位でヤクルト入団。ヤクルトの守備の要の遊撃手として活躍。また2001年にはNPB記録の67犠打をマーク。つなぐ打者としても活躍。2009年に三塁手にコンバートされ、2011年には三塁手の守備率記録である.997をマーク。遊撃手で6回、三塁手で4回ゴールデングラブを受賞。引退後は解説者。幼児の野球普及活動にも携わる。2018年からヤクルトのヘッドコーチ。

◯前田智徳 
2188試合7008打数2119安打295本塁打1112打点68盗塁 打率.302
ベストナイン4回、ゴールデングラブ4回

 熊本工業から1989年ドラフト4位で広島入団。2年目から規定打席に到達、3年目には3割をマーク。赤ヘル打線の中核打者として長く活躍。主要タイトルはないが、シャープな左打者として最多二塁打2回。安打を打っても納得の当りでなければ頭を抱えるなど、打撃の求道者として知られた。外野守備も優秀で2桁補殺を4回記録。生涯打率は3割を超えた。引退後は解説者。

日米で活躍の投手たちも

◯アレックス・ラミレス 
1744試合6708打数2017安打380本塁打1272打点20盗塁 打率.301
本塁打王2回、打点王4回、首位打者1回、MVP2回、ベストナイン4回

 ベネズエラ出身。1992年にマイナーでプレーをはじめ、98年にはインディアンスでメジャーに昇格するが定着できず。2001年にヤクルトに入団。勝負強い打撃で活躍。2008年に巨人に移籍、この年と翌2009年に連続MVP。2012年DeNAに移籍、2013年、外国人打者として初めて2000本安打を達成。翌年ルートインBCリーグ群馬に移籍。2016年から古巣DeNA監督に。チームを2年連続でCSに導く。

◯石井一久 
NPB 419試合143勝103敗1セーブ4ホールド 2153回1/3 防御率3.63
最多奪三振2回、最優秀防御率1回 最高勝率1回
MLB 105試合39勝34敗 564回 防御率4.44

 東京学館浦安高から1991年ヤクルトに入団。本格左腕投手として先発、救援の両方で起用され、94年には7勝。95年からは先発として起用される。速球と大きく変化するスライダーでヤクルト時代の奪三振数は投球回を上回る。2002年、ポスティングシステムでMLBドジャースに移籍。ドジャースでは2度2桁勝利。メッツを経て2006年ヤクルト復帰、2008年には西武にFA移籍。40歳まで投げる。引退後は解説者。

◯藪田安彦
NPB 520試合48勝72敗67セーブ112ホールド 1009回1/3 防御率3.81
最多ホールド1回
MLB 43試合3勝4敗 51回2/3 防御率7.14

 上宮高校、新日鐵広畑から1995年ドラフト2位でロッテに。当初は先発で起用されたが、2004年に救援に転向。セットアッパーとして活躍。2007年に最多ホールドを記録し、最優秀中継ぎ投手に。2008年海外FA権を行使しロイヤルズに移籍。2シーズン救援投手として投げる。2010年ロッテに復帰。11年はセットアッパー、翌年から2年はクローザーとして活躍。2013年は1軍登板なし。引退後は解説者。

 プレーヤー表彰の野球殿堂候補者は、引退後5年経過で自動的にエントリーされるのではなく、選出委員によって30人の候補者が選ばれる。これらの野球人が全員候補になるとは限らないが、つい最近までプレーしていた選手が、早くも殿堂入りの可能性が出てきた。歳月の過ぎる早さを感じる。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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