放射性物質低減、汚泥焼却灰のセメント原料化再開 川崎市

 川崎市は18日、2011年の東京電力福島第1原発事故後に放射性物質が検出されて以降、中断していた下水汚泥の焼却灰(新規灰)のセメント原料化を今年3月から再開すると発表した。

 焼却灰に含まれる濃度が、セメント業界が求めるレベルまで下がってきたことに加え、専門家の評価も踏まえ安全と判断した。

 市は11年の放射性物質の検出後、焼却灰のセメント原料への再利用と浮島地区への水面埋め立てを停止。埋め立て処分は、製鉄過程で出る高炉スラグ微粉末などを混ぜて焼却灰の粒子を沈殿しやすく改善処理した上で、16年4月から再開している。

 市内4カ所の下水処理場から出る汚泥は入江崎総合スラッジセンター(川崎区)で焼却灰に処理される。浮島地区のコンテナに保管された過去の焼却灰約1万9500トン、コンテナ約1800基分は引き続き保管を続ける。

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