ＵＡＣＪグループの中核商社。１９４７年に大阪金物として設立し、国華金属や三泉金商、小長谷金属、正栄金属商事などを統合して規模を広げ、住友軽金属の直系商社として軽圧品や伸銅品のヒモ付き販売業で存在感を高めた。９０年に住軽商事、２０１３年に現在のＵＡＣＪトレーディングに商号変更した。

　国内に６カ所の営業拠点を持つほか、ＵＡＣＪの海外進出に合わせて５カ国１１事業所を展開。販売機能だけではなく、メタルカット（コイルセンター）、泉メタル（二次流通）、鎌倉産業（板金・形材加工）といった子会社ではそれぞれ特色ある加工業を手掛けている。

　扱う製品群は軽圧品、伸銅品に限らず各種加工品や鉄系材料まで幅広い。ＵＡＣＪ製品の中では自動車パネル以外のほぼすべてを扱っており、販売分野の構成比率は空調関連（フィン材、銅管、鋳物など）が３０％、ＩＴ（パソコン筐体など）２５％、電池材１０％。これらは素材としてだけでなく「我々の強みである国内外の協力会社ネットワークを活用して、一次加工だけでなく半製品としても提供が可能」（清水洋二社長）だ。

　今年度を最終年度とする中期経営計画では、主力の空調とＩＴ分野の深耕に注力。空調分野ではオールアルミ熱交換器への素材供給をスタートさせた。これに加えて自動車と航空機分野での新規開拓も進めた。

　来年度からの次期中期計画では、自動車材の販売比率を現在の１０％から少なくとも１５％以上へ引き上げるほか、中小型航空機の熱交換器への部品・素材拡販に取り込んでいく方針だ。「空調とＩＴ、自動車、航空機に電池材（ＬｉＢ）を含めた５分野はこの先順調に成長すると予測される。国内外で販売量を増やしていく」（同）。

　海外では欧米や東南アジアが注力ターゲットだが「マーケットが外に広がっているので、語学が堪能な社員を拡充していく」（同）との見通しも示している。（遊佐　鉄平）

会社概要

　▽資本金＝１５億円

　▽年商＝約８３０億円（１７年３月期、単体）

　▽本社＝大阪市中央区北浜４―７―２８号　住友ビル２号館

　▽社長＝清水洋二氏

　▽電話番号＝０６―６２０１―１４３０

　▽主な取扱製品＝アルミ圧延品、伸銅品、各種加工品