伊ワインを南島原でPR キリスト教布教縁に経済交流を拡大

 長崎県南島原市は、キリスト教布教が縁で友好都市となっているイタリア・キエーティ市の特産ワインを、地元の小売店や飲食店で取り扱ってもらおうとPRに一役買う。市は2月、試飲会を開きおいしさをアピール。輸入につなげ、経済交流拡大の一歩にしたい考えだ。

 イタリア中部のキエーティ市は16世紀、教育機関「セミナリヨ」を日本で初めて島原半島に設立したイエズス会宣教師バリニャーノの出身地。天正遣欧使節の少年4人はセミナリヨ1期生として学んだ。2016年には友好都市協定を締結。ワインや手延べそうめんなど、互いの特産品の輸出入を手掛けようと両市幹部の間で約束したという。

 同市のあるアブルッツォ州のワイン生産量はイタリア3位。日本ソムリエ協会(東京)によると、赤ワイン「モンテプルチャーノ・ダブルッツォ」は世界的に知られ、豊かな果実味と酸味のバランスが良く、口当たりがまろやかでしっかりした味わいが特徴だ。

 南島原市は昨年10月、「平成遣欧使節」事業で中学生を派遣。同行した永田良二教育長らが、キエーティ市のアントニオ・ビオラ理事らとワイン工場やブドウ園を視察。赤、白、ロゼのワインを持ち帰った。

 試飲会はこれを提供し、小売業者や飲食店関係者とマッチングする。気に入れば、県貿易公社を通じ輸入してもらいたい考え。実現すれば市も広報誌などでワインの情報発信をする。市の担当者は「ワイン輸入を実現させ、経済交流を活発化させるための足掛かりにしたい」と意気込んでいる。

ブドウ園を視察した永田教育長(左)やビオラ理事(左から2人目)ら=昨年10月22日、キエーティ市(南島原市提供)

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