エンプラ佐世保寄港から50年 600回目のデモ行進で反戦訴える

 反戦や反核基地化を掲げ抗議活動が展開された米原子力空母エンタープライズの佐世保初寄港から50年を迎えた19日、佐世保市内ではデモ行進や講演会があった。

 エンタープライズは1968年1月19~23日、「補給、休養」を目的に寄港。米原子力空母が日本の港に入ったのは初めてで、全国から結集した学生や労働組合員ら反対派が警察隊と市街地で衝突。逮捕者70人、500人以上の負傷者を出す流血の惨事となった。

 「19日佐世保市民の会」は翌月から毎月19日に市中心部のアーケードでデモ行進をしている。この日は約60人が参加。初回から参加している元中学校教諭の森達郎さん(82)は「基地がある限り、佐世保は戦争に巻き込まれる恐れがあるという危機意識を、特に若い人に持ってほしい」と話した。

 デモ行進に先立ち、寄港当時に抗議活動を展開した三派系全学連の委員長だった秋山勝行さん(76)=福岡市在住=が「エンプラ闘争から50年」と題し市内で講演。「日本はこの50年間、戦争をしていない。50年後に平和な日本を引き継ぐ責任が私たちにはある」と訴えた。

激しい抗議が展開された米原子力空母エンタープライズの佐世保初寄港から19日で50年。寄港を機に活動が始まった「19日佐世保市民の会」は600回目のデモ行進で静かに反戦を訴えた=佐世保市中心部のアーケード

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