振り込め詐欺 キャッシュカード型急増 警察官や金融機関職員を装う 秦野市

 秦野警察署(片山真署長)管内で、昨年から警察官や金融機関、百貨店、全国銀行協会などの職員を名乗り、キャッシュカードと暗証番号を騙し取る詐欺が急増している。同署では、啓発チラシを作成し、高齢者宅を戸別訪問しながら注意を呼び掛けている。

昨年の被害総額は約5473万円

 秦野署管内では、昨年1年間で特殊詐欺(オレオレ詐欺や還付金詐欺など)が38件発生、被害総額は約5473万円だった。急増したキャッシュカードと暗証番号を騙し取る手口は、昨年3月下旬に発生したのを皮切りに、年末までに12件が発生した。

 神奈川県下では、昨年1年間の特殊詐欺の認知件数、被害額ともに過去最多を記録。認知件数は過去最悪だった2008年を326件上回り2314件で、被害額は2014年を約1億6600万円上回り約53億400万円だった。

 県下でもキャッシュカードを狙った詐欺の増加が著しく、昨年6月以降はこれまで主流だった現金の受け渡し型を上回り、12月には手渡し型の約60%を占めた。

 秦野署によると、被害者はキャッシュカードを騙し取られる手口を知らない場合が多いといい、それが被害の増加につながっているという。さらに、自宅にキャッシュカードを受け取りにくる「受け子役」が女性のため被害者が油断してしまう事案も出ている。

 同署では「名の知れたデパート、警察官、金融機関などの職員がカードを受け取りに行ったり暗証番号を聞くことは絶対にありません。このような電話があったら必ず相手が名乗った所属の連絡先を自分で調べて、折り返しの電話をして」と注意を呼び掛けている。

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