野原商行、工場の省エネ化推進 照明にLED、無電極ランプ

 静岡県の独立系有力コイルセンターである野原商行(本社・藤枝市横内、社長・野原千枝氏)は、省エネ対策の一環で工場の天井照明や加工ラインの設備照明をLED照明および無電極ランプに切り替えた。

 工場建屋の設備加工ヤード側の天井照明は、全灯を三菱電機照明製のLEDとし、コイルヤード側の天井照明と設備照明、検査場の照明についてはエコループ無電極ランプを採用した。

 LED照明、無電極ランプとも従来の水銀灯に比べて消費電力が大幅に削減される一方で照度がアップする。省エネおよび長寿命効果が高いのが特長だ。

 曇天時や夕暮れ時おける構内全体の明るさが増したことで、品質管理面や作業安全性も向上した。スイッチを入れると瞬時に構内全体が明るくなり、すぐに作業に入れるメリットもある。照度不足による人為ミスの軽減・抑制にもつながる。

米社製フィルムでフープ製品を防錆

 コイルセンターにとって、結露による原コイルや加工製品へのさび発生は、品質価値の低下や歩留まり悪化に直結するだけに防錆対策が欠かせない。

 野原商行ではこのほど、米コーテック社製の気化性防錆フィルムを初めて採用した。

 まずはスリットフープ製品に対して〝試験的〟に活用しているが、防錆効果については「評価できる」(野原一城常務)とのこと。

 使用方法は、シート状のフィルムを対象物の上からかぶせるだけ。過剰包装がいらず、手間もかからない。

 コーテック社製気化性防錆フィルムは、アミン系カルボン酸塩で、有害物質を一切使用しておらず、自然環境や人の健康への影響を懸念せずに使用できるのが特長。

 野原商行は電機、建材向けを主体とする静岡県の独立系有力コイルセンター。各種薄板類を取り扱うが、中でも高級カラー鋼板(PCM=プレコートメタル)扱いではキャリアとノウハウを重ね、顧客・取引先からも一定の評価を得ている。

 大手グローバル企業との取引も多く、同社では時代に即した市場ニーズも踏まえ、地球環境に配慮しつつ生産性向上や品質管理体制の強化、歩留まり悪化の抑制につながる取り組みを積極的に展開している。

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