JFEスチールの柿木社長、「EV向け研究開発に重点」 「クルマ軽量化展」で技術アピール

 JFEスチールの柿木厚司社長は19日、都内で開かれた「クルマの軽量化技術展」の自社ブースで、高張力鋼板(ハイテン)をはじめとする同社の自動車軽量化技術をアピールした。

 柿木氏は「車のEV(電気自動車)化が進むのは間違いない。こうした分野に研究人員を重点的に配置していく」と述べ、車の電動化に対応する鉄鋼技術の研究開発に力を入れていく考えを示した。

 車の軽量化ニーズに対する取り組みでは「鉄単体の軽量化はもちろん、鉄と他の材料を組み合わせた軽量化技術も追求し商品を生み出していく」とし、試作段階にある薄鋼板に炭素繊維強化樹脂(CFRP)の補強部材を接着した車用ドアの新構造などマルチマテリアル化技術も交えた技術提案で次世代車開発を後押しする姿勢を示した。

 17日にはJFEホールディングスの林田英治社長もJFEのブースを訪問した。林田氏は「溶接技術などを含めてJFEは自動車の軽量化に資するさまざまな技術を保有している」とアピール。「自動車のEV化が叫ばれ、鉄系素材の使用が減少すると言われている。そうした変化への対応は必要だが、まずは鉄による軽量化への貢献を追求したい」と述べた。

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