住友電工・松本会長、モロッコ協会で講演 「競争力高い労働力強み」

 日本モロッコ協会が主催する新春対談が19日に都内で催され、住友電工の松本正義会長が基調講演した。テーマはアフリカなど世界で進める事業戦略について。アフリカ経済の実情を的確に把握するとともに、相互協力関係を模索するための催し。松本会長は企業として北アフリカのモロッコに立地する利点を解説した。

 同社のアフリカ展開は1967年に南アフリカで受注した通信ケーブル敷設プロジェクトが皮切り。モロッコの生産拠点は2001年に買収したイタリアのハーネスメーカーが有していた工場が最初となる。以来ハーネス事業を順調に拡大し、現在同国で約1万9千人を雇用している。

 松本会長は同国での事業展開について政治・経済の安定性や欧米への輸出で地の利があると説明。さらに「競争力の高い労働力を有することが強み」と強調し、教育が充実し勤勉な国民性が根付いていることに触れた。併せて港や道路などインフラ整備が進んでいる利点も挙げた。

 現在はハーネス事業のほか現地政府と共同し新製品の集光型太陽電池(CPV)の大規模実証実験を手掛けており、「モロッコをハブとしたビジネスの世界展開も期待したい」と話した。基調講演後の対談ではモロッコ王国特命全権大使のラシャッド・ブフラル氏やナイジェリア連邦共和国大使館次席大使のナルト・A・コロ氏らが「アフリカ経済の魅力と課題」について話した。

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