ワークショップの在り方を議論

 長崎市の新市庁舎建設計画について、市民の意見を取り入れるため市が昨年実施した「ワークショップ」の在り方を議論する市民集会が21日、同市興善町の市立図書館であった。参加者からは「新庁舎のコンセプトが分かりにくかった」などと問題点を指摘する声が上がり、今後のワークショップで改善するよう市に提言することを決めた。

 市のまちづくりを考える市民団体「ファシル」(井上馨代表)と「フォーカス長崎」(浜永孝雄代表)が主催。市民や学生ら約20人が参加した。

 市は2022年度の新市庁舎完成を目指しており、本年度中に基本設計を策定する。基本設計に市民の意見を反映させるため、昨年8~12月に計5回のワークショップを開いた。

 集会ではワークショップに参加した長崎大の学生グループが、「コンセプトの説明が不十分」「資料の事前配布がなく理解が深まらない」などと問題点を提示。ほかの参加者も「計画の構想段階で開かなければ市民の声は届きにくい」「市議の姿が見えない」と指摘した。今後、主催者が市への提言をまとめる。

 司会を務めたファシルの安元哲男さん(69)は「ワークショップが、市民と行政が共にまちづくりを考える有効な手法であることも再確認できた。今後の公共事業で実施する際に、より充実した内容となるよう市に求めていく」と話した。

「ワークショップ」の在り方について意見を出し合う市民集会の参加者=長崎市立図書館

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