県連合遺族会(山下裕子会長)が今年、創設70周年を迎えた。これを記念した研修会が22日、長崎市南山手町のANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒルであり、会員約250人が恒久平和の実現へ向け次世代の育成に励むことを確認した。
同会は1948年に前身の「県遺族厚生連盟」として結成。現在まで慰霊事業開催や遺骨収集、遺族の処遇改善などの活動に取り組んでいる。
戦後73年目を迎え会員は高齢化し、過去10年で毎年約300~500人減少。昨年末時点の会員数は、県内約120支部の約1万2500人。会の継承へ門戸を広げようと、2015年から戦争を経験していない孫、ひ孫の世代にも入会を呼び掛けている。
山下会長が「大戦の記憶を風化させることなく次世代へと継承していくことが今の遺族会の責務だ」とあいさつした。
参加した壱岐市の石田町遺族会会長、辻村勝利さん(74)は胎児の時にサイパンに出兵した父栄光郎さんを亡くした。「父親に代わって働く母が今でも忘れられない。生活は高校に行けないほど貧しかった。父の思いを胸に、戦争の悲しさと苦しさを後世に伝えたい」と話した。