石木ダム問題の映画試写会 「まもりびと」会いに行って 山田監督が呼び掛け

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設予定地の人々の暮らしを描いたドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」(山田英治監督)の試写会が20日、佐世保市三浦町のアルカスSASEBOであった。山田監督が会場を訪れ「ぜひ“まもりびと”に会いに行ってほしい」と呼び掛けた。

 映画は13世帯が残る同町川原地区を舞台に、2015年秋ごろから約1年かけて撮影。住民が棚田で米作りに汗を流したり、子どもたちが菜の花の中を駆け回ったりするなど、穏やかな暮らしの場面を収めた。

 上映後にはトークショーがあった。山田監督は製作のきっかけについて「魅力的な里山の暮らしぶりを描ければ、それがなくなった際にどうなるかを考えるきっかけになると思った」と明かし、「(石木ダム問題を)世間の話題にするため頑張りたい」と話した。

 反対派を支援する米アウトドア衣料品ブランド、「パタゴニア」の辻井隆行日本支社長は「社会の要請に応じて行政は事業の計画を変えていくべきだ」と指摘。「市民が公開の場で議論して次のステップに進むことが必要。知ることが全てのスタート」と当事者意識の大切さを訴えた。

 試写会は県内各地を巡る先行試写会ツアーの一環で開き、市民ら約300人が集まった。

映画製作や川原地区の人々への思いを語る山田監督=アルカスSASEBO

© 株式会社長崎新聞社