【新18年、分野別鋼材需要動向を探る】〈(5)建産機向け〉需要堅調、小幅増へ

建機向け、外需がけん引

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 建設機械分野は、昨年9月末の排ガス規制の猶予期間終了の影響で、今17年度は当初、下期に活動水準が大きく下がるとみられていた。それが実際には、海外における建設機械需要が旺盛で、日本の建機メーカーは下期も大幅な生産の落ち込みはなく、高水準の生産レベルで推移している。輸出向け生産に支えられる格好で、下期の建機向け厚板需要は上期比微減にとどまっている。

 日本建設機械工業会が年明けに開催した賀詞交換会で業界首脳は「世界需要を見渡すと、ほとんどの地域で前年比増加(プラス)に転じている。17年1~11月の累計では、建機出荷額は国内がプラス7%、輸出が29%増。国内外トータルでは19%増。18年も引き続き好調を維持しそうだ」との挨拶が聞かれた。

 確かに世界マーケットの中で、やや低迷していると言えば、タイと油価が低位推移している中東地域ぐらいだろうか。米国は期待したほどではないが高原状態にある。

 中国は顕著に増えており、現地関係者は「爆発的に増えている。部品の手当てができるかどうかが問題になるのではないか。まるで数兆元の経済対策があった数年前と同様の光景だ」と話している。最大の商戦期となる旧正月(春節)明けの販売動向が注目される。不調だった16年からプラスに転じた17年と同様の好調ぶりが確認できれば、建機市場に弾みがつきそうだ。

 厚板など建機向け鋼材需要は、外需がけん引役となって高水準で推移しそうだ。排ガス規制関連の駆け込み反動で、18年度の国内向け直接需要は年の前半に減少傾向で推移する可能性はあるが、「仮に国内が10%減となっても海外が増えてトータルでほぼ横ばいとなるのではないか」との見方が有力だ。

 産業機械向け需要も、企業の設備投資意欲が高く、高水準で推移しそうだ。(1)自動車やIT関連向けの素材製造用の化学機械、(2)物流の効率化投資による運搬機械―ともに好調で、前年を上回る勢いが感じられる。(一柳 朋紀)