ホークス松田、“後輩”柳田を語る 2018年は本塁打数で「あいつと一騎打ち」

インタビューに応じるソフトバンク・松田宣浩【写真:中村彰洋】

チーム内で気になる選手は「ギータ」、独占インタビューで語る

 日本一連覇を目指すソフトバンクの中で、今季もキーマンの一人となるのが松田宣浩内野手だ。天性のムードメーカーは、本塁打後の「熱男!」パフォーマンスをはじめ、抜群の存在感を発揮してチームを牽引。常勝軍団の中心選手として欠かせない存在となっている。 

 そして、そんな松田とともにホークスの「顔」の一人としてチームを牽引しているのが、柳田悠岐外野手。2015年にトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成するなど、豪快なフルスイングをトレードマークに球界を代表する打者となった後輩に松田は「やっぱりすごいですよ、あいつは」と一目を置く。5歳年下の強打者は「熱男」の目から見てどんな存在なのか。今季は本塁打数で柳田と「一騎打ちする」と“ライバル視”していることも含め、独占インタビューで語ってくれた。 

 過酷な争いがつきもののプロ野球界。現在、チーム内に気になる選手はいるのか。そんな質問に松田は即答した。「ギータですね、柳田」。同じポジションの若手ではなく、ともにチームを牽引する主軸打者の名前を真っ先に挙げた。理由は明快だ。「去年初めてホームラン負けたので」。こう言って、ニヤリと笑った。 

 松田は昨年、3年連続全試合出場を果たし、打率.264、24本塁打、71打点の成績を残した。一方、柳田はリーグ終盤に右脇腹を痛めて離脱したものの、130試合出場で打率.310、31本塁打、99打点をマーク。柳田が2011年に入団してから、本塁打数で負けたのは初だった。 

「初めて負けたんですよね、2017年。だから悔しかったですね。シーズン中に意識? しますよ。めちゃめちゃしますよ。一昨年までが全部勝ってて、あんまり追い抜かされることがなかったんですよ、シーズン中も。今回は結局負けたので悔しかったですね」 

 シーズン中からバリバリに意識した末の“敗北”。試合中に柳田がホームランを打てば当然うれしいが、その後にちょっと悔しさが芽生える。そして、シーズン終了後にはその悔しさがマックスに達していた。 

糸井と柳田は「アスリート」、本塁打数で「あいつと一騎打ちです」

 柳田に一目を置くからこそ、意識する。1月には、阪神の糸井嘉男外野手らとともに、毎年恒例のグアム合同自主トレを行う間柄。大卒1年目から柳田を知る松田は、豪快なフルスイングでホームランを量産し、スピードと強肩も兼ね備える男をどう見ているのか。 

「やっぱりすごいですよ、あいつは。誰もが認める選手なので。今年もグアムに一緒に行って思ったのが、スイッチのオンとオフが凄い。ティー打撃でも最初は軽く振っていて『強く振りまーす』となった瞬間にオンがすごい。スイングが一気に変わる」 

 そのフルスイングは体への負担も大きいと見られがちだ。実際に、昨年は脇腹の負傷で離脱もあった。ただ、松田は柳田の体の強さには太鼓判を押す。 

「大丈夫。体強いですよ、やっぱり。でも、それでも補えなくて脇腹とかやったけど、でも、強いですよ。(ホークスに)入ってきたときから大きくて、パワーがある。でも、今は本当にアスリートとという言葉が当てはまる。糸井さんもそうですし、あの2人は野球選手ではなくてアスリートの部類に入ってますよね。野球選手の垣根を超えている」 

 同じプロから見ても、その肉体、運動能力は“別格“に見えるようだ。「凄いですよね。(入団時と)目に見えて違いますよね。プレーも変わってると思うんですけど。凄いね」。松田は「凄い」を繰り返し、後輩を絶賛した。 

 だからこそ、負けたくない。昨年、初めてホームラン数で敗れたが、今季は絶対に勝つ。他の選手は意識しない。とにかく柳田だけを意識し続けるというのだ。 

「譲れないですね、それは。あいつとの意識をすることによって、自分が置いてけぼりにならないという目安にもなりますから。あいつと切磋琢磨していくことが、30本、40本への近道だと思うし、めっちゃ意識していきます。(他の数字や選手は意識せず)そこだけでいい。あいつとそこの一騎打ちなんで。一騎打ちで打率と打点がどうなるか」 

 松田はこう言って、再び笑みを見せた。松田と柳田がハイレベルな戦いを繰り広げれば、チームが盛り上がることは間違いなし。パ・リーグ2連覇、そして2年連続の日本一にも大きく近づくはずだ。2018年はマッチとギータの「一騎打ち」から目が離せない。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2