区内母親ら 「家族の幸せ」問う映画、上映へ 自主的に活動中 横浜市戸塚区

会議を重ねるスタッフ

 戸塚区の母親らによる自主映画上映会が2月25日(日)、男女共同参画センター横浜(フォーラム)で開催される。「この映画をみんなに知って欲しい」――ひとりの女性のつぶやきから始まったこのプロジェクト。上映に向けた活動の中で、母親たちは社会との新たなつながりをつくっている。

 今回上映するのは、「given〜いま、ここ、にあるしあわせ〜」という、病気や死と向き合う3組の家族の姿を追ったドキュメンタリー映画。いずれも難病とたたかう子どもとその親の葛藤、さらにそこで彼らが見出した「幸せ」について描かれている。

 「ちょうど子育てに悩んでいた頃にこの映画を見た」と話すのは、発起人の菊池奈保子さん(保土ヶ谷区在住)。スクリーンに映し出されていたのは、難病の悲惨さではなく、心が温かくなるような、輝く家族の姿だった。これを見たことで、我が子と接する際の気持ちの持ち方が変わったという。「これまではつい他の子どもと比較することもあったが、この子自身を見てあげられるようになりました」

 同作品は、権利者の許可を得て自主上映できるのが特徴だ。菊池さんも「私も自主上映したい」という気持ちを募らせ、友人の本保美由紀さん(吉田町在住)に打ち明けた。

 本保さんは7歳と5歳の子どもを育てながら、週5でパート勤務をしている。日々の忙しさの中、社会の中で孤立しているような思いにとらわれることがあるという彼女は、映画を見て「誰でも困難や挫折があると思うが、理不尽の中でも必ず幸せがあると気づかせてくれた」と共感。上映に向けた一歩を踏み出した。

ウェブを駆使し、打合せ

 ふたりはともに、子育て支援やカフェ運営などを行っている区内のNPO法人「こまちぷらす」のボランティアとして登録しており、そこで知り合った仲だ。

 本保さんが代表、菊池さんが副代表という形でプロジェクトはスタート。同法人から企画運営のアドバイスを受けつつ、徐々にメンバーを増やしていった。現在、戸塚区や近隣に住む19人の女性が参加。その多くが、子育て中の母親だ。

 「子どもにつきっきりでいると、社会とのつながりが少なくなり、視野が狭くなりがちです。でもこの活動を通して世界が広がった」と本保さん。育児や家事、仕事に追われる中、なんとか時間を見つけて作業を行い、ウェブ通話サービスやチャットなどを駆使して、打合せを重ねた。

 時に意見がぶつかることもあるが、協力しながら進めてきた。「上映後も、この企画で生まれたつながりを広げ、お母さんでも活躍できるということを伝えていきたい」と話す。

 上映は午前10時30分からと、午後1時からの二部制。午後の部終了後は監督の高橋夏子さんと、出演家族によるトークショーがある。前売り券が1000円、当日券が1400円(それぞれ高校生以下は半額)。チケット購入はホームページ(【URL】https://peatix.com/event/327435/)、こまちカフェ(戸塚町145の6 2F)店頭で。

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