東京製鉄の4~12月期単独決算、経常増益107億円

 東京製鉄が23日発表した17年4~12月期単独決算は売上高1212億5600万円で前年同期比36・6%増、営業利益105億1400万円で同24・9%増、経常利益107億2900万円で同21・3%増、純利益100億3700万円で同19・5%増となった。数量増加と販価上昇に加え、コストダウン効果で増収増益。4~12月期の経常増益は15年4~12月期以来2期ぶり。

 17年4~12月の鋼材販売量は180万5千トンで前年同期比25万9千トン増加した。うち田原工場の生産量は50万7千トンで同10万9千トン増だった。輸出は18万8千トンで同1万2千トン増だった。金額ベースの輸出比率は9・2%と同0・3ポイント上昇した。

 品種別の売上げ比率は条鋼59%(形鋼53%、棒鋼6%)、鋼板41%(薄板34%、厚板7%)。

 4~12月の鋼材販売単価は6万6400円で前年同期比9900円の上昇となった。一方、鉄スクラップ購入単価は3万円で同8900円の上昇。メタルスプレッドは3万6400円で同1千円拡大した。

 営業利益は前年同期比21億円増えた。スプレッド改善が18億1千万円、数量増が14億1千万の増益要因となった。一方、電気代や副原料など変動費の上昇が固定費の改善を上回ったことによってトン620円のコスト高となったことが11億2千万円の減益要因。

 17年10~12月期の鋼材販売量は61万6千トンで計画比1万6千トン増、販価は6万8200円で同200円高、鉄スクラップ単価は3万3700円で同1700高、メタルスプレッドは3万4500円で同1500円の悪化となった。

 10~12月の営業利益は27億円で計画比5千万円減だった。メタルスプレッドの悪化が9億2400万円の減益要因だったが、増産によるコストダウン効果で固定費を圧縮したことが8億7400万円の増益要因。

通期業績予想/売上高を上方修正

 東京製鉄は23日、18年3月期通期の単独業績予想を売上高のみ上方修正した。修正後は売上高1650億円(前回予想1600億円)と予想。営業と経常利益は130億円、純利益は120億円で前回予想を据え置いた。

 18年1~3月期の鋼材販売量は60万トンを計画。販価は7万2200円、鉄スクラップ単価は3万7500円、メタルスプレッドは3万4700円を前提とした。

 17年10~12月期比で販価は4千円の上昇、鉄スクラップ単価は同3800円の上昇、メタルスプレッドは同200円の改善を見込む。冬季の定期修理により販売量は10~12月期比で1万6千トン減となる見通し。18年3月期通期の鋼材販売量は240万トンを計画。

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