大魔神・佐々木、番長・三浦にオバQも…大洋からDeNAの歴代投打5傑

現役時代は「大魔神」として活躍した佐々木主浩氏【写真:Getty Images】

石井、松原、スーパーカートリオの名前も

 横浜DeNAベイスターズは1950年に創設された大洋ホエールズに始まる。その後、松竹ロビンスと合併して洋松ロビンスとなり、再び大洋ホエールズに。さらに横浜ベイスターズ、横浜DeNAと経営母体、球団名を変えて存続してきた。今年で69シーズン目を迎える。歴史を飾った歴代の名選手を、投打の通算成績で見ていこう。※は現役。

○通算安打数5傑
1.石井琢朗 2307安打(1989-2008年)
2.松原誠 2081安打(1962-1980年)
3.近藤和彦 1725安打(1958-1972年)
4.高木豊 1668安打(1981-93年)
5.金城龍彦 1627安打(1999-2014年)

 1998年優勝の中心メンバーだった石井琢朗が1位、2位は巨人V9時代、大洋で華麗な一塁守備で鳴らした松原誠。3位は明治大学時から長嶋茂雄の好敵手だった近藤和彦で独特の「天秤打法」でも知られた。現役では石川雄洋が965安打で最多。

○通算本塁打数5傑
1.松原誠 330本(1962-1980年)
2.田代富雄 278本(1976-91年)
3.村田修一 251本(2003-11年)
4.桑田武 222本(1959-68年)
5.ロバート・ローズ 167本(1993-2000年)

 本塁打は、松原誠が1位。2位には「オバQ」と呼ばれ親しまれた田代。3位は本塁打王を2回獲得し現在は所属が決まらない村田修一。現役では筒香嘉智が138本で歴代9位だ。

○通算打点5傑
1.松原誠 1172打点(1962-1980年)
2.田代富雄 867打点(1976-91年)
3.ロバート・ローズ 808打点(1993-2000年)
4.佐伯貴弘 789打点(1993-2010年)
5.村田修一 732打点(2003-11年)

 松原誠は安打2位、本塁打、打点は1位だが、ONと時代が重なったため一度もベストナイン、ダイヤモンドグラブ(現ゴールデングラブ)を受賞していない。ローズはわずか8年の実働だが、本塁打、打点ともに上位。現役では筒香嘉智が445打点で1位。

○通算盗塁数5傑
1.石井琢朗 355盗塁(1989-2008年)
2.屋鋪要 317盗塁(1978-93年)
3.高木豊 313盗塁(1981-93年)
4.中塚政幸 164盗塁(1968-82年)
5.近藤和彦 158盗塁(1958-1972年)

 石井琢朗が安打数に続き1位。2位の屋鋪要と3位の高木豊は、加藤博一とともに「スーパーカートリオ」で売り出した俊足選手。現役では梶谷隆幸の127盗塁で1位となり、これは歴代8位にあたる。

番長・三浦、大魔神・佐々木と横浜を代表する名投手

投手成績を見ていこう。

○通算勝利数5傑
1.平松政次 201勝(1967-84年)
2.秋山登 193勝(1956-67年)
3.三浦大輔 172勝(1992-2016年)
4.遠藤一彦 134勝(1978-92年)
5.斉藤明雄 128勝(1977-93年)

 昨年、エキスパート部門で殿堂入りした平松政次が唯一の200勝投手。秋山は昭和30年代大活躍したサイドスローの名投手。「ハマの番長」こと三浦大輔は3位。現役では巨人に移籍した山口俊が39勝で最多となっている。

○通算奪三振数5傑
1.三浦大輔 2481個(1992-2016年)
2.平松政次 2045個(1967-84年)
3.秋山登 1896個(1956-67年)
4.遠藤一彦 1654個(1978-92年)
5.高橋重行 1363個(1964-80年)

 奪三振数は三浦大輔が1位、最近の投手の方が昭和期の投手よりも奪三振率は高い。現役では巨人に移籍した山口俊の699個が最多。

○通算セーブ数5傑
1.佐々木主浩 252(1990-99年、2004-05年)
2.斉藤明雄 133(1977-93年)
3.山口俊 111(2006-16年)※
4.山崎康晃 96(2015年-)※
5.クルーン 84(2005-07年)

「大魔神」佐々木主浩が1位、2位には先発、救援で活躍したヒゲがトレードマークの斎藤明雄、3位は巨人に移籍した山口俊。4位にまだ今季で4年目の山崎が食い込んだ。5位は160キロの直球でハマスタを沸かせたクルーン。

 最後に大洋からDeNAに至るまで選手、指導者として在籍し、殿堂入りした野球人を紹介したい。

○野球殿堂入り
1963年 中島治康 選手・指導者
1971年 小西得郎 指導者
1977年 森茂雄 指導者
1983年 三原脩 指導者
1988年 別当薫 指導者
1999年 古葉竹識 指導者
1999年 近藤貞雄 指導者
2001年 小山正明 選手
2003年 関根潤三 指導者
2004年 秋山登 選手・指導者
2005年 森祇晶 指導者
2009年 青田昇 選手・指導者
2014年 佐々木主浩 選手
2016年 工藤公康 選手
2016年 山中正竹 経営者
2017年 平松政次 選手

 大洋時代から他球団育ちの著名な選手、指導者を招聘することが多かっただけに、殿堂入り選手には指導者が多い。中島治康は史上初の三冠王だが、選手生活最晩年に大洋でプレーし監督も務めた。山中正竹は、法政大学時代に東京六大学の最多勝記録を樹立。プロには進まなかったが横浜ベイスターズの専務取締役を務めた。

 このランキングには現役選手はほとんど入っていない。それだけチームが若いということなのかもしれない。筒香嘉智をはじめとする現役選手は、この記録をどこまで塗り替えるだろうか注目したい。

(Full-Count編集部)

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