横浜M、練習拠点を横須賀に移転へ 2022年めど

 サッカーのJ1横浜F・マリノスが2022年をめどに、トップチームの練習拠点を新横浜公園(横浜市港北区)からJR久里浜駅(横須賀市)周辺に移転する方向で調整を進めていることが25日、複数の関係者への取材で分かった。専用練習場のない課題を解消したいマリノス側と、Jリーグの名門クラブの練習拠点を置くことで地域活性化を図りたい横須賀市側の考えが一致したとみられる。

 マリノスは合わせて、現在使用する同公園を育成組織(高校生以下)などの練習拠点として整備したい考え。

 運営会社の「横浜マリノス」(横浜市港北区)と横浜、横須賀の両市は同日、同公園内と同駅周辺に整備する練習場についての協議開始を発表。供用開始時期や用途など詳細は明らかにされなかったが、複数の関係者によると、トップチームは同駅周辺の練習場オープンに合わせて拠点を移す意向という。

 新練習場予定地は、同駅西側にある「くりはまみんなの公園」を中心とした横須賀市の市有地など約3ヘクタール。同市が天然芝のピッチ2面とハーフコート、クラブハウス、千人程度を収容できる観客席を設け、マリノス側は使用料を払う。同市が進める同駅周辺エリアの再開発計画に盛り込まれる方針。

 また新横浜公園については、マリノス側が自社の負担で第1運動広場(約1・5ヘクタール)などに天然芝1面、人工芝1面の市営グラウンドを整備することを横浜市に提案している。

 マリノスは15年末、高額な賃借料がクラブ経営を圧迫しているとして、同市のみなとみらい21(MM21)地区にあった「マリノスタウン」を閉鎖。トップチームは現在、本拠地の日産スタジアムに隣接する補助競技場や新横浜公園球技場を同市から借りて練習している。

 マリノスの古川宏一郎社長(42)は「できるだけ早く使用できるよう両市などと協議を進め、トレーニング環境の改善につなげたい」と話した。

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