韓ポスコ、リチウム電池材事業拡大

2020年、リチウム生産2万トン目指す

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 韓国ポスコはリチウムイオン電池材料事業を拡大する。リチウムイオン電池は大容量バッテリーとして電気自動車(EV)向けなどでニーズが高まっている。EV化の進展などに伴いリチウム電池向け材料の需要増も見込めることから、ポスコは同事業を非鉄鋼部門における新たな成長分野に位置付けている。

 ポスコはリチウムイオン電池材料において、リチウム・陽極材(正極材)・陰極材を生産できる。リチウムは2010年に独自の抽出技術を開発。昨年には光陽製鉄所に炭酸リチウム生産工場「PosLX」を竣工した。ポスコは南米やオーストラリアなどでリチウム含有塩水および鉱石の確保を進めており、2020年までにリチウム生産能力を2万トンにまで引き上げる方針だ。

 また、陽極材は2012年にポスコESMを設立し、生産を始めている。年産規模は7千トン。陰極材はポスコケムテックが2011年から生産を始めている。年産規模は1万2千トンで韓国最大手となる。

 今週24日には、中国コバルト生産大手の華友鈷業と陽極材を生産する合弁会社設立の契約を締結。EV化を急速に進めている中国に本格的に進出する、と発表した。

 ポスコによると、華友鈷業は世界のリチウムイオン電池の製造に必要なコバルト需要量の約50%を生産できる世界最大手のコバルトメーカー。また、独自のコバルト鉱山だけでなく、ニッケル鉱山も保有している。

 ポスコが華友鈷業と合弁で生産するのは、前駆体および陽極材。前駆体はある物質が生成される前の段階にあるものを指す用語で、陽極材生産においてはその上工程でコバルト・ニッケル・マンガンを結合して製造される。前駆体とリチウムを組み合わせると、最終製品の陽極材になる。

 前駆体の合弁生産会社には、コバルトなど原材料を供給できる華友鈷業が60%、ポスコが40%出資する。一方、陽極材を生産する合弁会社には生産技術のあるポスコが60%、華友鈷業が40%出資する。

 合弁会社は年産4600トン規模で2020年下期からの生産開始を目指す。今回の締結により、ポスコは中国のリチウム電池市場への本格進出だけでなく、ポスコESMの陽極材工場に前駆体、さらにはコバルト・ニッケル・マンガンなど原材料も安定供給できるようになる。