張本が3部門でトップ、田中幸雄も偉大な記録 日本ハムの歴代投打5傑

日本ハムOBの張本勲氏【写真:Getty Images】

張本勲の2435安打、414本塁打、1341打点はトップ、304盗塁は2位

 北海道日本ハムファイターズは、1946年、終戦後最初のシーズンにセネタースとして参加。以後、東急フライヤーズ、急映フライヤーズ、東映フライヤーズ、日拓ホームフライヤーズと名称を変更。さらに74年には資本が代わって日本ハムファイターズとなった。2004年には北海道に本拠地を移転し、創設以来73シーズン目を迎える。歴史を飾った歴代の名選手を、投打の通算成績で見ていこう。※は現役

○通算安打数5傑
1.張本勲 2435安打(1959-75年)
2.田中幸雄 2012安打(1986-2007年)
3.毒島章一 1977安打(1954-71年)
4.金子誠 1627安打(1994-2014年)
5.島田誠 1502安打(1977-90年)

 NPB唯一の3000本安打者、張本勲が記録した2435安打が最多。続いて平成時代の遊撃手田中幸雄、毒島(ぶすじま)は、昭和期、俊足の外野手として活躍。金子誠は田中の次の正遊撃手、島田誠は快速の外野手。現役では、田中賢介が1429安打で6位につけている。

○通算本塁打数5傑
1.張本 勲 414本(1959-75年)
2.田中幸雄 287本(1986-2007年)
2.大杉勝男 287本(1965-74年)
4.小笠原道大 239本(1997-2006年)
5.古屋英夫 180本(1978-90年)

 本塁打も張本、田中幸雄の順となる。3位の大杉は、張本と中軸を組んだ強打者で、日本ハムのあとにヤクルトでもプレーしている。2球団で1000本安打を記録。小笠原は北海道に移転してからの中心打者で、古屋は昭和後期の強打の三塁手だ。現役では中田翔が177本塁打で6位につけており、あと3本でランクインする。

○通算打点5傑
1.張本勲 1341点(1959-75年)
2.田中幸雄 1026点(1986-2007年)
3.大杉勝男 819点(1965-74年)
4.小笠原道大 730点(1997-2006年)
5.毒島章一 688点(1954-71年)

 打撃3部門はいずれも張本、田中が1、2位につけている。現役では中田翔が643打点で7位につけ、順調にいけば、2018年シーズン中にランクインすることになる。

○通算盗塁数5傑
1.島田誠 351個(1977-90年)
2.張本勲 304個(1959-75年)
3.大下剛史 216個(1967-74年)
4.田中賢介 203個(2000-12年、2015年- )※
5.毒島章一 191個(1954-71年)

 島田は全盛期が世界の盗塁王・福本豊と重なっていたため、盗塁王のタイトルは取っていないが、パ・リーグ屈指の走り屋だった。2位に張本。リーグ屈指の強打者でありながら1963年には41盗塁をするなど出塁してからも手ごわかった。3割、300本塁打、300盗塁の”生涯トリプルスリー”は、NPBでは張本勲だけ。3位の大下剛史は切り込み隊長として活躍。のちに広島に移籍し、1975年の初優勝時にも活躍した。

大谷、増井、武田久の退団で、現役トップは29勝の有原

○通算勝利数5傑
1.土橋正幸 162勝(1955-67年)
2.高橋直樹 138勝(1968-80年)
3.米川泰夫 131勝(1949-58年)
4.西崎幸広 117勝(1987-97年)
5.尾崎行雄 107勝(1962-73年)

 昭和中期、抜群の制球力で東映のエースとして活躍した土橋が1位。2位にサイドスローの技巧派の高橋直樹。3位米川は戦後のエースだが20勝2回、20敗4回を記録。西崎は昭和後期から平成初期にかけてアイドル的な人気があった。尾崎は浪商を中退して17歳でデビュー、”怪童”と呼ばれる。現役は42勝の大谷翔平、33勝の増井浩俊、31勝の武田久がチームを離れ、29勝の有原航平がトップとなった。

○通算奪三振数5傑
1.土橋正幸 1562個(1956-67年)
2.西崎幸広 1454個(1987-97年)
3.米川泰夫 1302個(1949-58年)
4.ダルビッシュ有 1250個(2005-11年)
5.高橋直樹 1214個(1968-80年)

 4位に平成の大エース、ダルビッシュが入ってくる。ダルビッシュはわずか7シーズンで記録した。現役では宮西尚生の416個が最多。

○通算セーブ数5傑
1.武田久 167(2003-17年)※日本通運で選手兼コーチで現役
2.増井浩俊 110(2010-17年)
3.マイケル中村 102(2005-08年)
4.江夏豊 88(1981-83年)
5.金石昭人76(1992-97年)

 セーブ記録は1975年の導入以降のものとなる。2017年まで日本ハムで活躍した武田、増井が1、2位。江夏豊は優勝請負人として3シーズンだけの在籍で88セーブを記録した。武田、増井に加えて、22セーブのマーティンも退団したので、現役最多は鍵谷陽平の5セーブになった。

〇野球殿堂入り

1969年 苅田久徳 指導者
1974年 藤村富美男 指導者
1977年 水原 茂 指導者
1978年 松木謙治郎 指導者
1980年 大下 弘 選手・指導者
1988年 横沢三郎 指導者
1990年 張本 勲 選手
1997年 大杉勝男 選手
2002年 田宮謙次郎 指導者
2003年 上田利治 指導者
2009年 大社義規 経営者
2011年 落合博満 選手

 伝説の名内野手苅田久徳、初代ミスタータイガース藤村冨美男、巨人のスター水原茂、阪神の初代主将である松木謙治郎、阪急の名将・上田利治など他球団の大物が東映、日本ハムで指導者を務めている。選手としては終戦後、青バットで一世を風靡した大下弘、張本勲、大杉勝男らが生え抜き選手だ。現在の日本ハムはベテランが抜け、若い選手が中心になっている。投打のランキングに現役選手の顔ぶれが入ってくるとすれば、中田翔くらい。裏を返せば、それだけ将来性があるチームということになるだろう。

(Full-Count編集部)

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