被爆樹木「樹勢は良好」 「平和案内人」60人が研修 長崎

 被爆の実相を伝える市民ボランティア「平和案内人」の全体会が27日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であり、出席した約60人が樹木医の久保田健一さん(50)から被爆樹木に関する研修を受けた。

 平和案内人は、長崎平和推進協会が2004年度から実施するボランティアガイドで現在166人。16年度は約2万4千人の修学旅行生などを案内した。

 久保田さんは同市坂本2丁目にある山王神社の被爆クスノキを14年に診断、16年に治療している。クスノキは爆心地から800メートルの位置にあり、市天然記念物に指定。被爆から2カ月後には新芽が吹いたが、年月がたつにつれ傷みがひどくなり、06年には台風の被害に遭うなどしたため、これまで5回の治療を受けた。

 スライドを使い、過去の診断でほかの樹木医が書いたカルテやクスノキの写真などを見せながら、「幹内部の空洞は被爆前からあったもの。被爆後に伸びた大枝は健全で、葉の量も多く、樹勢は良好」と話した。

久保田さん(左)の話に聞き入る平和案内人=長崎原爆資料館

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