F1トップチーム、リバティ・メディアの新マーチャンダイジング構想に反発

 F1の各トップチームは、2018年のレースで計画されているリバティ・メディアのマーチャンダイジング構想に反発している。

 これまでグランプリ会場では多くの個々の売店が、チームグッズを販売してきた。しかしコンセプト刷新の取り組みのなかでリバティ・メディアは、ファンが楽しめるF1グッズの販売を一カ所に集約する“スーパーストアテント”方式を採用しようとしている。

 この方式は2015年にNASCARが先駆けて行ったが、販売の落ち込みとファンコミュニティからの否定的なフィードバックを受け、昨年廃止となった。

 F1は新たな計画の管理を、マーチャンダイジングの専門企業でNASCARとも仕事をした経験を持つファナティクスに委ねている。

「我々はファナティクスと提携する。彼らはこの分野におけるマーケットリーダーであり、スポーツイベントや商品のマーチャンダイジングと販売において多くの知見がある」とF1の商業担当取締役であるショーン・ブラッチスは説明する。

「来年、我々は巨大なテントを持つことになる。商品を棚から取り、サイズが合うかどうか確かめ、15から20台のレジの列に並ぶ。もし買ったものを家に送りたければ、我々のパートナーであるDHLが会場で引き受けてくれる」

「我々は幅広い調査を行っており、すべてのレース主催者がこの計画を支援している」とブラッチスはフィンランドのTurun Sanomat紙に語った。

 しかしながら同紙によると、メルセデスとレッドブル、そして重要なことにF1で最も有名なチームであるフェラーリが、この計画に不満を抱いているという。

「過去から今まで、フェラーリは他のどのチームよりも多くのグッズを販売してきた。ファンは目当ての赤いグッズを見つけるのに、困ったことなどない」と匿名の情報筋は語った。

「短気なファンたちは、欲しいものを探すために遠いところにある大ホールには行かないだろう。この新しい販売形態のせいで、我々は収益を失うと考えている」

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