金森隆志が答える"でかバス"釣りの極意とは?【岸釣りビッグフィッシュQ&A】

「今年こそ自己記録を更新したい!」新たな年を迎えて、釣り人ならきっとそう思うはず。じゃあ実際どうすれば自己記録を獲れる? そんなふうに悩んだら、誰かに聞いてみればいい。どうせ聞くのなら、相手は誰もが納得のビッグバスハンター! ってことで、ルアーマガジンモバイル人気Q&A連載『JUKE BOX』の名回答者・金森隆志氏が登場! ビッグフィッシュハンティングにまつわるカナモへの質問&回答の一部を公開する!

Q:カナモはなぜそんなにでかバスが釣れるのですか? でかバスを釣るために重要なことは何ですか?

A:でかいバスがいるところに釣りにいくから。これは決定的に大事です。

どんなに釣りウマでもそこにでかバスがいなければ釣れません。特に自己ベストを更新しようとなると、いつも通っているフィールドに比べて明らかにでかいバスがいるフィールドに行くほうが確率としては上がると思います。

たとえばホームの野池でサイズが上がらないのなら、リザーバーや河川に行くのもひとつ。違う野池に行くのもひとつ。とにかくでかいバスが存在する可能性が少しでも高い場所で釣る。まずはコレが大事です。いっさい格好付けず、ありのままで答えました(笑)

状況を判断し、その瞬間にマッチしたフィールド、マッチした釣りでベストな状態の魚を獲る。その実力があるのなら、できるだけでかい魚がいるフィールドに行くのが正解だ。

もうひとつ、リスクを背負うからというのもありますね。リスクって何? となると、簡単に言えば僕の場合は粘ること。いわゆる「ここだ!」というある種の決めつけ。そしてそこで粘る。

その理由は、そこに一番でかいバスがいそうだから。その時期その場所で最もでかいバスが集まりやすい場所で腰を据えて、少しでも長く水中にルアーを入れることででかバスと出会う確率を上げます。でも、もしそこにバスがいなかったら、あるいは差してこなかったら、粘ること自体がリスクになるわけです。

それと同時に釣り方のリスクもあります。僕のなかで、でかバスが獲れる確率が最も高い釣りはサイトフィッシングですが、サイトで狙うと決めて集中すると、それ以外の釣りに対する精度がどうしても下がってしまう。フィネスもそうですよね。単純に効率が悪くなります。それがリスク。

そこにいる魚を文字どおり見て狙うサイトフィッシングは、でかバスを選んで釣ることができる絶対的とも言えるパターンのひとつだが、だからこそリスクも背負うことになる。

巻きの釣り、ビッグベイトでも同じで、メリットがあればデメリットもある。だけど、この場所、この釣りでと決めてストライクゾーンを絞ることで、獲れる確率は上がると思っています。

ん!? だったら何でもできたほうが確率は上がるじゃん! と思ったアナタ。正しいです。でも、それができていればこの記事を読む必要はないでしょう(笑)

だからこそ言えるのは、否定と言い訳はしないこと。ビッグベイトだからしょうがない。見えないから、フィネスだからしょうがない。獲れる魚じゃなかった、などなど…。その時に一番マッチした釣りを一番マッチした場所で実践できるのであれば、スタイルに関係なくでかいバスが釣れるはず。そのチョイスができなかったことに対して言い訳しないこと。パッとフィールドに来て、パッと投げて獲れるほどでかバスは甘くはありません。

Q:金森さんはネバリストですよね。それはすなわち、デカいバスを釣るためには粘ったほうが良いということなのでしょうか?

A:上にも重なりますが、その時期そのフィールドの一等地を見つけることが最も重要であり、最も難しい。でも、そこを絞ることができれば、粘ることが確率的にはベストだと考えています。でもそれがアダになることも多々あるわけですが…。

それから、粘るかどうかは、フィールドタイプにもよります。たとえば霞ヶ浦。僕にとってカスミは、そもそも粘る場所が極めて少ないんですよね。ある程度クイックにエリアや釣り方を変えていかないと良い釣りはできません。時季によって流入河川で粘ることはありますが…。

広大な霞ヶ浦水系、とくに本湖はここと決めて粘れるスポットがあまりにも少なすぎる、と金森さん。

スペシャルなスポットがないフィールドは粘りには向いていません。逆に同じレベルの良いスポットが点在するフィールドもそうですね。

季節を象徴する他を圧倒するスポットがあって、そこに魚の供給があれば粘ります。どこでも何でも粘るのが“ネバリスト”ではないことは覚えておいてください(笑)

※この記事の内容は『ルアーマガジン2018年3月号』掲載記事を基に再構成したものです。

© 株式会社 内外出版社