薬草で肥満予防研究へ 三重大、ロート製薬が共同 「本草学」切り口に

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 【津】三重大学(三重県津市)は29日、大手製薬会社「ロート製薬」(大阪市)と県由来の薬草や食品を使った肥満予防法について共同研究すると発表した。大学側は実験用の魚、会社側は効能を持つ可能性が高い素材を提供し、有効成分を探す。効能が証明された素材は同社が製品化し、平成32年2月に多気町でオープンする複合施設「アクアイグニス多気」で提供する予定。

 三重大とロート製薬は互いのノウハウを生かして地域の活性化に取り組もうと今月26日に共同研究する協定を締結。薬の基になる植物を調べる県発祥の学問「本草学」を現代の技術で研究し直し、県内に生育する植物の効能の作用メカニズムを解明する。

 共同研究では、臓器の構造やゲノム配列が人と類似した小魚「ゼブラフィッシュ」に植物を摂取させた後、肥満になりやすい餌を与える。ゼブラフィッシュが肥満になるか調べ、肥満予防に役立つ植物やメカニズムを見つける。

 ゼブラフィッシュはネズミなどの実験動物に比べ一度に大量の個体を用意しやすい。短期間で数百種類の素材の効能を調査でき、世界の製薬会社が物質の効能を評価するのに利用している。

 三重大は全国の国公立大の中でも初期にゼブラフィッシュを実験動物として導入。これまでの成果や技術を提供する。ロート製薬は本草となる薬草や食品200―300種を提供。県由来の植物50種ほども効能を持つ可能性があるという。

 ロート製薬は本草の効能を科学的に証明できた場合、生薬の配合や健康を増進する食事メニューの開発に利用する。アクアイグニス多気で薬草湯や健康商品を提供するため、施設オープンまでに成果を出したい考え。

 三重大で記者会見したロート製薬経営企画部の瀬木英俊部長は「本草学はこれまであまり研究されてこなかった分野でこれまでにない切り口。『食』による健康づくりを事業の柱にしているため、研究成果を非常に期待している」と語った。

【共同研究で使用するゼブラフィッシュ(三重大提供)】

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