総評 厳しい条件に負けず熱走 層の厚さ光った西彼・西海

 26日から28日まで行われた第67回郡市対抗県下一周駅伝大会は、高校、大学生を軸にしたチーム編成で安定したたすきリレーを見せた西彼・西海が2連覇を飾って幕を閉じた。例年より早い1月開催となったため、他の大会との日程調整や学生の試験などで選手確保が難しく、インフルエンザによる影響も出た。雪や雨、強風に見舞われる厳しいコンディションの中、各チームとも懸命にたすきをつないだ。

■盤石の態勢整え

 西彼・西海は連覇を目標に前回大会終了後から準備を進め、盤石の態勢で臨んだ。2区間で区間賞を取った浦馬場(東京国際大)ら力のある大学生や高校生が集結。大会前に体調を崩す選手が出ても、代わりの選手が十分に仕事を果たした。層の厚さが光り、勝ちにいくオーダーを組めた。

 2位大村・東彼は初日4位発進。第2日は栗原(東京国際大)ら主力となる大学生が合流し、日間首位で2位に浮上した。最終日も日間首位。2区室井(陸自大村)、7区谷口(桜が原中)の区間賞、女子総合優勝などで猛追した。

 3位長崎は初日2位。第2日に大村・東彼にかわされたが、高校生8人と市民ランナーが粘り強くつなぎ、3強を守った。最終日は向(国学院大)、壮年区間の本村(長崎中央郵便局)、濱地(三菱日立パワーシステムズ)が区間賞を取り、向は男子の最優秀選手賞に輝いた。

 4位の佐世保も健闘した。第1日は3位長崎と45秒差、第2日終了時点でも累計55秒差。福地(アイワ商事)、内海(佐世保市陸協)ら主軸、今大会唯一の区間新を記録した植村(松浦高)の力走などで食らい付いた。

 過去最高タイの5位に食い込んだ対馬、チーム名を「南高・島原」から変更した2007年以降、最高となる6位に入った島原半島の活躍も目立った。

 7位五島、8位北松・松浦は我慢のレースを展開。諫早は2日連続の途中棄権を乗り越え、第1日の最下位から9位に浮上した。

■10位争いも白熱

 昨年、11位だった壱岐と10位平戸による10位争いも白熱した。最終日1区を終えた時点で壱岐が累計4秒リード。その後もデッドヒートを繰り広げ、最後は壱岐が1分27秒差で振り切った。

 一方、小学生区間は壱岐が総合V3を達成し、平戸が2位に入った。西彼・西海の強さを支えている選手層の厚さは、地域でのジュニア育成の成果にある。壱岐も平戸も子どもたちを育てていく環境づくりがさらに進めば、1桁順位が見えてくるはずだ。

 寒空の下、多くの人たちが沿道で声援を送り、選手やスタッフ、地域住民らが古里の絆を再認識した3日間だった。参加者はそれぞれの立場で準備を進め、1年後に再会を果たしてほしい。

◎3日間の総合成績

順位 チーム名 所要時間       差    クラス順位

①西彼・西海 21時間44分39秒        A-1

②大村・東彼 21時間53分18秒 8分39秒  A-2

③長   崎 22時間7分17秒  13分59秒 A-3

④佐 世 保 22時間20分42秒 13分25秒 A-4

⑤対   馬 22時間28分11秒 7分29秒  B-1

⑥島原半島  22時間51分1秒  22分50秒 C-1

⑦五   島 22時間57分33秒 6分32秒  B-2

⑧北松・松浦 22時間58分39秒 1分6秒   B-3

⑨諫   早 23時間11分59秒 13分20秒 B-4

⑩壱    岐 23時間35分23秒 23分24秒   C-2

⑪平    戸 23時間36分50秒 1分27秒   C-3

  ※クラスは昨年の成績をもとに区分

郷土の誇りを胸に力走する選手たち=長崎市

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