関包スチール、岩沼に東北第3工場 大型スリッターを更新

 関包スチール(代表・谷本隆広会長兼CEO)は、東北工場(宮城県岩沼市)における大型スリッターの老朽化更新などを狙いに第3工場を建設する。建設するのは東北工場近隣にある臨空西原工業団地内で、総投資額は約10億円を見込む。大型2号スリッターを更新する計画で、2019年度末までの稼働を目指す。

総投資10億円、車向けなど納期短縮

 31日に岩沼市役所で菊地啓夫岩沼市長が出席する中、立地協定締結式が開催された。

 東北工場の年産量は、トヨタ自動車関連企業の進出などに伴い東日本大震災前の約1・5倍となる10万トン強で推移する。フル稼働が続くが老朽化に加えて東日本大震災によるダメージもあり、一部設備の更新を迫られていた。スムーズな設備更新、さらに品質および納期対応力の向上、省力化に伴う作業負担軽減などを図るため新工場建設を決めた。

 東北工場には第1・第2工場があり、スリッターラインのほかシャーリングマシン、大型レベラー、フォーミングラインなどがある。新たに建設する第3工場の敷地面積は約7600平方メートルで、工場建屋は約3300平方メートルの計画。今回更新を予定するのは第2工場内にある大型2号スリッター。新スリッターの本稼働後、旧設備は撤去する予定で、跡地の活用は需要動向を見極めて決める。

 新スリッターの設備仕様など詳細は今後詰める予定。また、省力化や生産効率の向上を狙いに自動刃組み装置も導入したい考えだ。

 関包グループは1980年から岩沼市で操業を始め、2012年にトヨタ自動車の生産拡大などに伴いエス・エス・シー東北工場を設立している。谷本豊治社長は「当社も東日本大震災では津波による大きな被害を受けたが、復旧・復興への国・県・市一体の施策・取り組みで臨空工業団地も大きく前進できた。今回の投資で、サプライチェーンの中核を担い、鉄鋼業界ならび地域経済の発展に貢献していきたい」としている。

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