障害児らを応援する巨大な手形アート 東京パラへ賛同呼び掛け

 長崎市興善町の市立図書館に、横5・4メートル、縦1・6メートルの巨大なアートがお目見えした。病気や障害がある子どもたちの手形を使い、幻想的な森の風景を鮮やかに描き出した。2020年の東京パラリンピックに向けた美術プロジェクトの一環で、子どもたちを応援する気持ちが込められている。

 アートの題は「じんけんのもり」。作者は長崎市出身の美術家、田川誠さん(35)。長崎日大高デザイン美術科3年の時に県展デザイン部門で県知事賞を受けた。

 「じんけんのもり」は、東京パラリンピック時に10万人分を使った世界最大の「手形アート」の完成を目指している「ハンドスタンプアートプロジェクト」(東京)の依頼を受けて制作。同プロジェクトが集めた難病の子どもや障害児の約200の手形を使い、人魚のうろこや鳳凰(ほうおう)の羽を表現した。

 作品は昨年11月に完成。中には、病気のために既にこの世を去った子どもの手形もある。田川さんは「手形はその人が生きた証し。絵の中で生きている人と亡くなった人の『手』を重ね合わせたい」との思いを込めて描いた。

 作品展示に合わせ、同プロジェクトに賛同する市民参加型のワークショップを開催。賛同する人は、紙に手形を押し、直筆メッセージを記している。1月22日から1日までに120枚以上が集まった。作品展示とワークショップは14日まで。集めた手形は同プロジェクトに届ける。田川さんは「病気や障害がある子どもたちを応援する気持ちを込めて手形を押してほしい」と話している。

手形を使った巨大アート作品を完成させた田川さん=長崎市立図書館

© 株式会社長崎新聞社