台湾の学生、災害対策学ぶ 関東学院大で講義

 日本の災害対策を学ぶため、台湾から来日中の学生約30人が1日、横浜市金沢区の関東学院大を訪ね、規矩(きく)大義(ひろよし)学長から防災、復興に関わる上で必要な心構えを学んだ。

 地震による液状化現象に詳しい規矩学長は、同大が昨年12月に発足させた「防災・減災・復興学研究所」の研究代表を務める。

 東京や横浜が壊滅し、10万5千人が犠牲になった1923年の関東大震災について「近代都市になってから初めて大きな被害が出た地震」と説明。以後、液状化の被害が注目された64年の新潟地震、建物の倒壊が相次いだ95年の阪神大震災を教訓として「耐震化などの対策が進んできた」ものの、2011年の東日本大震災でさらに大きな被害を見せつけられ、「人間が自然に抵抗することができるのか」という思いも抱えているとした。

 その上で「命や財産を守るだけでなく、人々の心の損失や人と地域の未来のことも考えていかなければいけない」と強調。「防災が人を幸せにしているか」を自らに問い掛ける大切さも説いた。

 学生たちは台湾の大学や大学院で土木や建築を学んでおり、日本政府の対日理解促進交流プログラムで7日まで滞在。昨夏に起きた九州北部の豪雨の被災地にも足を運び、さらに理解を深める。日本台湾交流協会の担当者によると、「台湾も地震が多いが、最近は水害もあり、日本の防災対策への関心が高い」という。

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