プロ野球キャンプがスタート 宮崎と沖縄、それぞれの楽しみ方

雨模様の中ソフトバンクは宮崎でキャンプイン【写真:藤浦一都】

宮崎のキャンプ地は、いずれも最寄り駅から徒歩圏内

 プロ野球キャンプでは、シーズン中よりもはるかに近い距離で野球選手と接することができる。普段は見られない選手の表情、間近で見る迫力あるプロのプレーなど。その他にも各球団、キャンプ地でしか味わえない様々なイベントが楽しめる。

 まずは5球団がキャンプを張る宮崎県。鉄道の駅に近いのは、巨人(JR日南線木花駅、運動公園駅)、広島(JR日南線油津駅)、西武(JR日南線南郷駅)。いずれも駅から歩いてキャンプ地まで行くことが可能だ。JR宮崎駅の駅前からは、ソフトバンク、オリックス、巨人のキャンプ地に向けて直通バスが運行されている。バスには各球団のラッピングがされているので、すぐに分かるはずだ。

 土日には宮崎市内にあるソフトバンク、オリックス、巨人のキャンプ地を結ぶシャトルバス「三球シャトル」が運行されている。巨人の宮崎キャンプは12球団でも随一の広さと規模を誇っている。メイングラウンドからブルペンまでは、歩けば20分以上かかるので、シャトルバスが運行されているほど。5つのキャンプ地では、ともに地元の名産物や土産物、B級グルメなどを販売する売店が並んでおり1日中、飽きることなく楽しむことができる。また足湯の店が設けられているキャンプ地もある。

 各球団のグッズ関係の品ぞろえも豊富だ。中には、キャップなどのキャンプ限定グッズも発売している。こうした店を見て回るのも1つの楽しみといえる。さらに、宮崎市観光協会では、宮崎県の特産品が当たる「スタンプラリー」を実施している。また、ソフトバンク、オリックス、巨人3球団連携ロゴ入りのTシャツ、フェイスタオル、ピンバッヂなども販売している。宮崎は南国だが、日によっては氷点下になることもある。雪が降ることもある。防寒具の用意はしっかりしておこう。

沖縄のキャンプ地巡りはレンタカーが便利

 続いては沖縄県。1次、2次を含めれば10球団が1軍キャンプを張り、練習試合、オープン戦なども多く行われている。鉄道で行けるのは、巨人(沖縄都市モノレール奥武山公園駅、壷川駅)だけ。あとは、公共交通機関としてはバスを使用しての移動になる。沖縄都市モノレール旭橋駅と隣接している那覇バスターミナルからは、沖縄本島の各地のキャンプ地に連絡しているバスが出ている。

 ただ複数のキャンプ地を回るのであれば、レンタカーを借りるのが便利だろう。那覇空港周辺には、多くのレンタカー会社の店がある。体力に自信があれば、レンタサイクルも1つの手だ。那覇からであれば、頑張ればヤクルト、DeNA、中日のキャンプまでは行くことができるだろう。沖縄には米軍基地が点在し、軍用車も通る。交通には十分に注意しよう。

 宮崎県の1軍キャンプは宮崎市に3つ、日南市に2つあるが、沖縄県のキャンプは、1軍、2軍を含め、すべて別個の市町村に1つずつある。那覇市=巨人、浦添市=ヤクルト、宜野湾市=DeNA、北谷町=中日、沖縄市=広島2次、金武町=楽天、宜野座村=阪神、名護市、国頭村=日本ハム。

 それぞれの市町村が工夫を凝らして野球ファンをもてなしている。各地の名産品も個性豊か。休日にはミニコンサートが行われたり、近くのホテルが出張レストランを開くこともある。その土地でしか味わえないグルメや文化に触れることができるのもキャンプの楽しみだ。さらにこの時期には、テレビのキャンプレポートで、野球解説者や野球好きのタレントもたくさん訪れる。有名人の取材風景を見るのも楽しみの1つだ。沖縄の平均気温は15度を超す。防寒具は軽めでもいいが、夜になると意外に冷えるので用心するに越したことはないだろう。

 沖縄県の離島で行われているキャンプは、久米島=楽天1次、石垣島=ロッテの2か所。ともに那覇空港から1時間以内だ。久米島には船便も出ている。島でのキャンプは、沖縄本島と比べてもファンの数は少なく、お気に入りの選手をじっくり見ることができるはず。石垣島は沖縄本島よりもさらに温暖で、タクシーやホテルのロビーでは2月でも冷房が利いていることもある。

 プロ野球のキャンプは一部のイベント、施設を除けば見学は無料だ。立ち入り禁止エリア以外は自由に見ることができる。選手との距離も近い。声をかけたり、サインをもらったりすることも可能だ。ただし、選手たちは自らの野球人生、生き残りをかけて必死にトレーニングに励んでいる。ファンの方々には節度を持って、キャンプ地巡りを楽しんでいただきたい。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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