神戸製鋼、通期経常益見通し600億円 鉄鋼、建機などが上振れ

 神戸製鋼所は1日、通期連結業績見通しを売上高1兆8900億円(前回予想1兆8800億円)、経常利益600億円(同500億円)、純利益450億円(前回は未定としていた)に上方修正した。

 セグメント別に見ると、建設機械事業や鉄鋼事業などが従来見通しよりも上振れとなる。建機では中国での油圧ショベルの販売台数増加などが寄与する。

 通期のセグメント別経常利益見通しは、鉄鋼150億円、溶接50億円、アルミ・銅80億円、機械35億円、エンジ50億円、建機180億円、電力60億円。

 17年4~12月期連結業績は、前年同期比13・3%増の1兆3793億円、経常利益が620億円(前年同期は260億円の赤字)、純利益が558億円(同364億円の赤字)だった。

 粗鋼生産量は通期単独で750万トン程度の見通し。輸出比率は27%程度の見通し。販売単価は通期8万2千円程度の見通しで、前期比で1万1400円の上昇となる見込み。

データ改ざんで損失100億円/経常損益に全額織り込み

 ▼河原一明常務談「品質データ改ざん問題による減益影響は、従来見通し通りで当期は100億円程度。全額を経常損益に織り込んでいる。影響額の内訳は40億円がアルミ・銅で、60億円が鉄鋼と本社部門。アルミ・銅では不具合品の廃却損や販売数量減少、歩留まり悪化に加え、お客さまからの補償費用の請求額も織り込んだ。アルミ・銅以外でも販売数量減があり、本社部門では弁護士費用などがある。鉄鋼事業では注文を失う失注や転注が想定を下回り、減益影響見通し額が減っている」

全社から今月中に安全性確認へ

 ▼門脇良策経営企画部長談「現在、当社が不具合製品を納入した525社中518社について安全性確認が進んでいるが、今月中には全社から安全性確認が得られるのではないかと考えて取り組んでいる」

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