三井金属、積層セラミックコンデンサ向け銅超微粉生産能力4割増強

 三井金属は1日、需要拡大に対応するため、MLCC(積層セラミックコンデンサ)向け銅超微粉の生産能力を40%増強すると発表した。彦島製錬・機能粉工場(山口県)で生産ラインを1ライン増設する。投資額は数億円となるもよう。新設備は8月に完成し、9月から稼働する予定。

 同社は、MLCCの外部電極向け銅粉でトップシェアを持ち、銅超微粉は主力製品の一つ。同社の銅超微粉は湿式還元法で精製したサブミクロンから数ミクロンの銅粉で、主に電子材料として粒子径、粒度分布、形状、表面処理などの「粉体制御技術」を生かした高機能の銅粉を製造している。

 スマートフォンの高機能化でMLCC搭載個数が増え、銅超微粉の需要が増加していることに加え、政府の提唱する「ソサエティ5・0」の実現に向け、家電や産業界でのIoT化や自動車のADAS(先進運転支援システム)などによる電装化の進展で今後もMLCCの需要拡大が見込まれることから生産ラインの増設を決めた。

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