高齢者の輪禍防ごう 専門学校生協力し動画 県警が感謝状

 高齢者が巻き込まれる輪禍を防ごうと、県警が専門学校生と協力して作成した動画をインターネット上や街頭ビジョンで公開し、啓発に努めている。制作は横浜デジタルアーツ専門学校(横浜市港北区)の学生たち。約15秒の短い映像にドライバーへのメッセージを込めた。県警交通部の担当者は「動画を見た人が一人でも交通安全を意識してもらえれば」と話している。

 県警によると、2016年1月に県と学校法人岩崎学園とが締結した「連携と協力に関する包括協定」に基づく取り組み。2年目の17年は同校の宮下隆友己教諭の下、渡辺楓河さん(23)、磯崎彩香さん(20)、土屋亮さん(20)、伊藤恵美さん(21)、臼井美祐紀さん(20)の5人が卒業制作の一環として携わった。

 動画は計6本で同年6月から年末にかけて作成。ネットの動画共有サイトで公開しているほか、川崎競馬場ドリームビジョンなど県内約20カ所の街頭ビジョンなどで放映された。

 16年の県内の交通事故死者数140人のうち、54人が高齢者だと明示。「大切な人たちを悲しませないために」との字幕の後に、「おじいちゃん死なないで」と書かれた画用紙を持つ子どもが登場、多発する高齢者の死亡事故に警鐘を鳴らす内容となっている。

 先月30日には県警本部で感謝状の贈呈式が行われた。鳴海達之交通部長は「短い時間でも、どきっとする内容に仕上げていてすごい。今後とも協力をお願いします」と謝辞を述べ、同校Web科2年の土屋さんは「高齢者にも見てもらい、理解してもらえるように文字のスピードなどを工夫した。動画が事故防止につながればうれしい」と話していた。

© 株式会社神奈川新聞社