世界平和実現へアジア交流 学生ら被爆の実相学ぶ

 アジアの若者が交流を通じ世界平和の実現を考える本年度の「平和ネットワーク構築プログラム」が長崎市で開かれている。2日はマレーシア、韓国、中国の大学生が長崎原爆資料館などで被爆の実相を学んだ。7日までの期間中、活水高平和学習部を交えた討論などを通じ理解を深める。

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が主催し、9回目。3カ国の大学生と教官の計18人が1日、長崎入りした。

 2日は同市平野町の祈念館で歓迎セレモニーがあり、智多正信館長が「有意義な交流と同時に国際的なネットワークづくりに励んでほしい」とあいさつ。大学生が英語や日本語で自己紹介した後、隣接する長崎原爆資料館で、熱線や爆風の威力や人的被害の大きさについて学んだ。

 韓国・釜山市の東西大学校3年、キム・ウネさん(21)は「核兵器の保持で権力を誇示するのは間違いだと改めて感じた。プログラムを通して、各国の若者が平和実現に向けて考えていることを知りたい」と話した。大学生はこの日、被爆者の講話も聞いた。

 3、4の両日は活水高平和学習部の朗読「ふりそでの少女」を鑑賞するほか、4カ国の若者が原爆をテーマにした討論などをする。

立体地図を見て被爆の実相を学ぶ参加者=長崎原爆資料館

© 株式会社長崎新聞社