米ノベリス、蘭コンステリウム・スイス工場の資産を一部取得 218億円、合弁会社設立

 アルミ圧延大手の米ノベリスは1日、同業でオランダ大手のコンステリウムからスイス・シエール工場の資産の一部を取得することで合意したと発表した。取得総額は2億ドル(約218億円)。両社はシエール工場の共同運営を目的とした折半合弁会社を近く設立し、2019年第1四半期中に新体制に移行させる考え。ノベリスは今回の資産取得により、欧州での自動車用アルミパネル(ABS)事業の拡大を目指す。

 シエール工場は、05年からノベリスがコンステリウムからリース契約で運営しているアルミ圧延工場。すでにノベリスはアルミ板の鋳造から圧延だけでなく、ABS専用の最先端焼鈍ラインやレーザー切断能力も保有している。一方、コンステリウムはシエール工場で鋳造とプレート、アルミ押出製品の製造を継続する。

 ABS市場への展開を強めるノベリスはこの数年、活発な海外戦略を続けている。16年に米オスウィーゴ工場(ニューヨーク州)にABS第3ラインを設置したほか、先月には米ガスリー(ケンタッキー州)に3億ドルを投じてグリーンフィールドからの新工場建設を発表。同時にローガン工場(ケンタッキー州)でも圧延以外の能力増強も実施することを明らかにした。

 積極策を実施する一方で、昨年5月には韓国・蔚山工場を分社化し、神戸製鋼から3億ドル超を調達して合弁会社に切り替えるなど、ABSの能力増強と効率生産体制の構築を目指している。

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