CO2取引うたい詐欺 日本橋クリエイト元幹部ら逮捕 神奈川県警

 架空の二酸化炭素(CO2)排出権取引への投資を持ちかけ、出資金名目で金をだまし取ったとして、神奈川県警生活経済課と神奈川、三崎署は5日、詐欺の疑いで、東京都中央区の投資会社「日本橋クリエイト」=破産手続き中=の元市場調査部長で実質的経営者の男(68)=同江東区=ら元社員7人を逮捕した。被害は首都圏を中心に1都5県で約70人、計約2億8千万円に上ると見られる。

 逮捕容疑は、2015年6月ごろ〜16年7月ごろ、「必ず利益が得られます」などと架空のCO2排出権取引への投資話を持ちかけ、ともに埼玉県在住の無職女性(79)から160万円、無職男性(78)から80万円を委託保証金名目でだまし取った、としている。同課は7人の認否を明らかにしていない。

 同社は「CO2排出量取引」と題したパンフレットなどを使って勧誘。客への説明資料では「電話注文による(売り手と買い手が直接取引する)相対売買」などとうたっていたが、取引の実態はなかったという。契約後は投資した人に「月次報告書」「残高照合通知書」などの書類を提示して取引を装っていた。最大で約5千万円をだまし取られた被害者もいるという。

 県警は昨年2月に関係先を家宅捜索し、帳簿などを押収。同社は同4月に破産手続きを開始し、債権者集会が開かれている。

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