イルカ「ナミ」も妊娠 「ニーハ」に続き人工授精で 佐世保・海きらら

 九十九島水族館(佐世保市鹿子前町、海きらら)は6日、飼育するハンドウイルカの雌「ナミ」が難易度が高いとされる人工授精で妊娠したと発表した。順調に成長すれば11月中旬に出産する。海きららではもう1頭の雌「ニーハ」も人工授精で妊娠中。担当者は「2頭とも元気な赤ちゃんを産んでもらえるよう、安心できる環境づくりに努めたい」と意気込んでいる。

 海きららは昨年7月から三重大と岐阜大、南知多ビーチランド(愛知県)、神戸市立須磨海浜水族園の協力を得て2頭の人工授精に取り組んできた。ナミは1月下旬に胎児を確認。南知多ビーチランドから提供された精子で妊娠したとみられる。

 現在、妊娠80日ほどで胎児の体長は約6センチ。体をねじる「スピンジャンプ」は控えるが、適度な運動のためショーは続けるという。

 獣医師の加来雅人さん(31)は2頭の妊娠について「素直にうれしい。関係機関の協力があってのことで感謝している」と喜んだ。国内で人工授精から出産に成功したのは2例のみ。「健康管理を徹底し、2頭とも安心して出産ができるようにしたい」と気を引き締めた。

妊娠が分かった「ナミ」(海きらら提供)

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