金属行人(2月8日付)

©株式会社鉄鋼新聞社

 かつて鉄スクラップ業界では「ひと雪1千円」と言ったそうだ。今より道路事情が悪かった頃の話で、ひとたび降雪があると至る所で悪路が発生。荷動きが滞って市況が1千円ほど押し上げられたことを指す。このため、当時の鉄スクラップ業者は雪が降ると市況が上がると喜んだのだとか▼道路整備が行き届いた近年では雪が降っても市況に影響するケースが減り、いつしか「ひと雪1千円」の言葉は聞かれなくなったという。今冬は厳しい寒波で、関東でも今月に入り2回の降雪があった。しかし、市況はむしろジリ安となっている。海外安を反映した動きで、鉄スクラップ市況は国内よりも海外要因の影響が強まっていると実感する▼一方で雪による荷動き悪化が全く市況に影響しないわけでもない。電炉メーカーや鉄スクラップ業者では気象情報に注視しつつ、在庫確保や出荷に当たっている。今月の関東の鉄スクラップ市況は「もし降雪がなければもっと早く下げに転じていた」(ヤード業者)との見方もある▼今回の降雪は市況下落を緩やかにする要因になったとみるべきだろう。海外の動きは重要だが、天候が鉄スクラップ市況に影響することもしっかり認識しておきたい。