東特巻線、「リッツ線」に注力 非接触給電向け需要捕捉

 古河電工グループで電線や巻線の加工などを手掛ける東特巻線(本社・長野県上田市、社長・本多豊氏)は非接触給電向けで主力製品であるリッツ線の拡販を目指している。リッツ線は極細の銅線を撚り合わせた製品。表面積が大きく高周波で大電流を流せる特性があるため、非接触給電に使うコイル部品としての用途に適している。高い生産技術などを生かして、自動車や電子機器関連で拡大が見込まれる市場を捕捉する。

 同社では直径0・025ミリの極細銅線を1千本以上撚り合わせられる設備や技術を有していることなどが特徴。高品質なリッツ線を供給できる強みを生かし、顧客の試作段階からの納入を目指している。非接触給電では自動車や電機関連のメーカーなどが顧客。リッツ線に形状や通電を安定化させる人工繊維のテトロンを巻きつけた巻線などを拡販する。電子機器関連の分野については、すでにリッツ線の納入実績を有している。

 同社は1956年に東京特殊電線の一部製造部門が分離独立して発足。資本金は4800万円で従業員数は約40人となっている。リッツ線は月間数十トンを製造。電線・巻線の加工に加えて、ワイヤハーネスなども手掛けている。

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