もう一度走る<<1>>/Yasuko Marue

2017年9月6日に右前後の足に大怪我をした猫を保護しました。

その猫に、もう一度走れるようにという願いを込めてRun(ラン)と名付けました。

ラン君の心と体の変化を書き残すことによって一匹でも救われる命が増えることになれば嬉しいです。

2017年9月4日の夜、友人から

“大怪我をした猫がいるの、どうしたらいい?”と電話をもらいました。

すぐに別の友人に連絡して現場で合流することにしました。

そこはアパートの駐車場で、猫は車の下で涼むように寝ているとのことでした。

総勢5人で付近をしばらく探しましたが見つからなかったのでこの日は諦めました。

翌日、仕事の帰りに現場に行くと車の下で傷ついた足を覗かせ寝ている猫を見つけました。

でも、警戒心が強い猫を素手で捕まえられることは条件が揃ってないと難しいのは経験していたのでこの時は写真だけ撮って引き上げました。

そして友人の家に寄って経緯を話すと捕獲器を貸してもらえることになり、連絡してくれた友人と翌日同じ時間帯に行くことにしました。

布を掛けた捕獲器の中にフライドチキンをセットして離れた場所で様子を見ていました。

まもなく、その猫が捕獲器の近くを行ったり来たりし始めました。

どうか入ってくれますようにと心の中で祈っていました。

長期戦になることを覚悟していましたが、思いのほか呆気なく捕獲器に入ってくれました。

ここからは私の想像とアニマルコミュニケーター(動物たちの気持ちを理解する技術を習得した方)の方から聞いたラン君の気持ちを織り交ぜて書きます。

2017年9月6日、ボクはいつも寝ている駐車場で檻を見つけた。

そこからは、たまらなくいい匂いがしていた。

お腹は空いているけど檻に入らないと食べられない。

どうにかして、それを食べたかったから、何度も檻の周りを見た。

そして、勇気を出して檻に入って食べ始めたらカシャン!という大きな音がしてボクは出られなくなった。

ボクは、一体どうなるんだろう?

不安と恐怖でいっぱいだった。

ボクは檻に入ったまま車に乗せられた。

車を運転していた人はボクに何度も誤った。

“怖い思いをさせてごめんね。驚かせてごめんね”と。

そして

“これから病院に行って治療してもらおうね”と言われてボクは処分されるんじゃないことを知ってホッとした。

でも、ボクは不思議に思った。

どうして知らない人がボクを助けてくれるんだろう?

どうしてボクを見て涙を流しているんだろう?って。

に続きます。

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

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